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  1. 山口県議会 2023-02-01
    02月28日-03号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 5年 2月定例会   令和五年二月山口県議会定例会会議録 第三号      令和五年二月二十八日(火曜日)  ────────────────────        議事日程 第三号      令和五年二月二十八日(火曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第六十一号まで(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第六十一号まで                会議に出席した議員(四十七人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          髙   瀬   利   也 君                          酒   本   哲   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          高   井   智   子さん                          猶   野       克 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          岡       生   子 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          磯   部   登 志 恵さん                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(なし)                                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         平 屋 隆 之 君                    総務部長        内 海 隆 明 君                    総務部理事       近 藤 和 彦 君                    総合企画部長      松 岡 正 憲 君                    産業戦略部長      前 田 安 典 君                    環境生活部長      藤 田 昭 弘 君                    健康福祉部長      弘 田 隆 彦 君                    商工労働部長      小 関 浩 幸 君                    商工労働部理事     三 浦 健 治 君                    観光スポーツ文化部長  三 坂 啓 司 君                    農林水産部長      高 橋 博 史 君                    土木建築部長      和 田   卓 君                    会計管理局長      京牟礼 英 二 君                    財政課長        安 藤 公 浩 君                    公営企業管理者     正 司 尚 義 君                    企業局長        今 村 政 裕 君                    教育長         繁 吉 健 志 君                    副教育長        木 村 香 織 君                    公安委員長代理     弘 永 裕 紀 君                    警察本部長       中 西   章 君                    代表監査委員      河 村 邦 彦 君                    監査委員事務局長    本 多 昭 洋 君                    労働委員会事務局長   松 田 一 宏 君                    人事委員長       上 野   清 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        國 吉 宏 和 君                    事務局次長       原 田 和 生 君                    総務課長        嶋 田 英一郎 君                    議事調査課長      岡 本 正 敏 君                    政務企画室長      國 弘 敏 和 君                    秘書室長        植 木 啓一郎 君                    議事調査課主幹     作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   益 本 悟 史 君                    主任          河 村 美也子さん                    主任          賀 山 智 江さん                    主事          佐 伯 和 樹 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第六十一号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十一号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 江本郁夫君。    〔江本郁夫君登壇〕(拍手) ◆(江本郁夫君) 皆さん、おはようございます。大変いい天気になりました。令和五年の二月議会一般質問第一番、担当いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、通告に従いまして一般質問に入ります。 まず、医療提供体制の充実強化についてお尋ねいたします。 本県で新型コロナウイルス感染症の感染が確認されてから約三年が経過し、年明けには、一日の感染者数が過去最大となる五千人を超える厳しい状況となり、その後、感染者数は減少傾向にあるものの、第八波による感染は依然として続いています。 この間、感染防止対策の現場で御尽力いただいております医師や看護師などエッセンシャルワーカーの方々をはじめ、保健所の職員、県及び市町の行政の方々など、全ての皆様方に感謝を申し上げます。 コロナとの闘いは、徐々にウイズコロナへと意識が移り変わる中で、岸田総理は、この春からいよいよ五類感染症への変更を表明し、医療提供体制や公費支援をはじめ、平時の日本を取り戻すべく具体的な施策の検討が進められており、社会経済活動の正常化に向けて新たな一歩をしっかりと踏み出していけるものと期待をしております。 一方で、この三年間のコロナとの闘いを経験し、私たちは、改めて県民の命と健康を守ることの重要性を理解したところであります。 中でも、県立総合医療センターは、県内唯一の第一種感染症指定医療機関として全県からコロナ重症患者等の受入れを行うなど、県民の命と健康を守る医療を最前線で提供するとともに、高度専門医療や僻地医療など県全体の医療を支える中核的な役割を担っており、我々自民党としても、センターの機能強化に軸足を置いた本県の医療提供体制の強化の必要性を訴えてきました。 これに対し、知事は、昨年二月定例会において、将来にわたって本県の感染症医療高度専門医療等の拠点としての中核的役割を一層果たせるよう、今後、スピード感を持って抜本的な機能強化を進めると力強く答弁され、近隣への全面的な建て替えを基本とする機能強化に向けてかじが切られました。 また、県では、今年度、関係者や専門家等から成る検討委員会を立ち上げ、機能強化に向けた検討を進めており、先日開催された第三回の検討委員会では、感染症医療や僻地医療の拡充、移転候補地の要件など、センターが担うべき医療機能の取りまとめがなされたところであります。 来年度の当初予算では基本計画の策定経費が計上されておりますが、県民の安心・安全を確保するためには、センターが将来にわたって本県医療の中核的な役割を果たせるよう、今後、移転候補地を含め、センターが担うべき機能強化の道筋を取りまとめるとともに、引き続き関係者等の意見を踏まえながら、実効性ある基本計画を策定していただきたいと考えます。 そこでお尋ねします。県では、医療提供体制の充実強化に向けて、今後どのように県立総合医療センターの機能強化を進めていくのか、御所見をお伺いします。 次に、地域医療を支える薬剤師の確保についてお尋ねいたします。 二○一八年、西日本の公立大学では初となる薬学部が、私の地元山陽小野田市の公立大学、山口東京理科大学に設置されました。 それまで薬学部のなかった本県では、薬剤師を目指す方は、県外に進学して資格取得をし、そのまま県外で就職することが多かったこともあり、県内の薬剤師が不足し、薬学部の設置はその課題の解消、そして地域発展の起爆剤として、市や関係団体の長年の悲願のものでした。 こうした期待のまなざしで成長を見守られておりました金の卵たる第一期生が、いよいよ来年二○二四年に卒業、就職を迎えようとしているところです。 ここで、現在の本県の薬剤師の状況に目を向けてみますと、県内の三十五歳未満の若手薬剤師数は減少傾向にあり、高齢化の進行も相まって、今後さらなる不足が危惧されています。 県の調査によれば、二○三五年には、高齢化や医療の高度化に伴い薬剤師需要は増大し、病院や僻地薬局を中心に二百五十から四百人の薬剤師が不足すると推計されており、医療提供体制を維持・充実させるために薬剤師の確保は重要な課題となっています。 こうした状況を踏まえますと、山口東京理科大学薬学部の設置により、薬学生が県内若手薬剤師として巣立っていく展望が大いに期待されるところではありますが、昨年度、薬学生三、四年生に対して行われたアンケートによれば、卒業後の県内就職希望者は約一四・五%にとどまるとのことです。 もともと県外からの入学者が約七割ということですので、この結果はある程度は仕方のない部分もあるかもしれませんが、私は、一人でも多くの学生にこの魅力ある山口県で就職し、本県の地域医療を担っていただきたいと思うのです。 これまで、県では、山口東京理科大学薬学生に対し、就職説明会や、現役の薬剤師との交流を行う薬学的サイエンスカフェの開催、加えて、大学と県製薬工業協会産学公連携による専門的な研修の実施など、大学や団体、企業と連携し、学生の県内就職に向けた様々な取組を行っておられます。 今後はこういった取組に加え、いよいよとなる薬学生の卒業に合わせて、学生に対してさらに強力にアプローチをかけていく必要がありますし、そのためには、大学や関係団体等との連携をさらに強化し、学生の就職ニーズをしっかりと捉えた取組を展開することが必要になると思います。 そこでお尋ねします。これから卒業を迎える山口東京理科大学の薬学生が、本県の地域医療を支える薬剤師として就職し、活躍していくために、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。 次に、地方ローカル線の利用促進についてお尋ねします。 昨年四月のJR西日本の赤字路線の公表は、全国各地に大きな緊張と危機感を与えています。 隣県の広島県と岡山県にある芸備線をめぐっては、利用促進により維持を図りたい沿線自治体とバスなどの代替案の検討を進めたいJR側が対立するなどの事態も生じています。 残念ながら、私の地元の小野田線も、県内の赤字路線五路線六区間の一つとなっています。小野田線は、明治時代に日本初の民間セメント会社がこの土地に誕生し、その成長とともに資材の運搬や働く人の移動手段として発展してきました。まさに、地元にとっては、まちづくり地域づくりを支えてきた欠かすことのできない社会基盤であるとともに、かけがえのない生活基盤でもあるのであります。 市では、少しでも関心を持ってもらい、何とか利用につなげていこうと、昨年十月からタレントを活用した特別列車の運行なども行っています。 しかし、道路整備と自家用車の普及が進み、小野田線に限らず地方ローカル線の利用者は減少し続けており、沿線自治体の講じる利用促進策も、この大きな流れを止めることができていません。 鉄道の利用者数の多い都市部と地方の大きな違いは、やはり通勤での利用が少ないことにあります。地方では、多くの方が通勤に車を利用しており、ローカル線の利用増加の鍵は、この車を利用して通勤する人をどれだけローカル線の利用へと促すことができるかです。 もちろん、増便などにより利便性向上を図ることも大切なことではありますが、ただ、それだけではローカル線を利用させる流れをつくり出すことは難しく、私は脱炭素やSDGsといった社会の大きな変化の中で、個人や企業に生じている意識や行動の変化を捉え、利用を促していく必要があるのではないかと思うのです。 私たちの身の回りにも、こうした個人の意識や行動の変化を捉え、商品の開発や販売に生かしている取組が多く存在しています。 例えば、環境問題や社会貢献に関心のある消費者に対して、商品の原料をサステーナブルな原料へ変更したり、パッケージをプラスチックから紙へ変更する、また購入した商品の売上げの一部を社会貢献事業へ寄附するなどにより、購買へのインセンティブを高める取組が私たちの日常生活にも浸透しています。こうした習慣的な行動に対するアプローチは、ぜひ参考にしていただきたいと思います。 また、通勤を車から鉄道へという転換を進めていくためには雇用者としての立場を持つ企業の理解や協力は必要不可欠であります。企業が取組を進める働き方改革やワーク・ライフ・バランスなどの視点も取り入れて、鉄道への利用転換に理解・協力を求めていくことも一つの手ではないでしょうか。 私は、地方ローカル線を維持・存続させていくためには、今がまさに正念場であると思っています。この難しい社会課題に対し、知事の強いリーダーシップの下で山口県の本気度を示し、行政、住民、企業など一丸となって取り組んでいただきたいと思うのです。 また、地元と一緒に効果的な利用促進策を考えることはもちろん、その取組を財政的な面でもしっかりと後押ししていただきたいと思うのです。 もちろん、土日や祝日などの観光面での利用促進についても、ローカル線の維持・確保のためには重要な取組であり、しっかりと取り組んでいただくようお願いします。 そこでお尋ねいたします。地方ローカル線の維持・確保に向けて、県は今後、どのように利用促進に取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、医療的ケア児やその家族への支援についてお尋ねいたします。 目覚ましい医学の進歩を背景に、以前では助けられなかった多くの命が救えるようになったことは大変喜ばしいことです。 その一方で、日常生活や社会生活を営むために人工呼吸器による呼吸管理、喀たん吸引、その他医療行為、いわゆる医療的ケアを恒常的に受けることが不可欠である児童は増えており、全国では推計約二万人、本県では県全体で約百九十人、私の地元山陽小野田市でも七人おられることが明らかになっています。 このような状況において、令和三年九月に医療的ケア児の成長とその家族の負担を軽減することを目的とした法律、いわゆる医療的ケア児支援法が施行され、国、地方自治体の支援は、それまでの努力義務から責務に変わり、各自治体が取組を進めることとされました。 この法施行を皮切りに、相談対応や情報提供等の支援拠点として医療的ケア児支援センターの設置が全国的に進められ、本県では昨年四月、県内に二か所設置されましたが、センターを複数箇所設置している県は全国でも少なく、医療的ケア児やその家族への支援にきめ細かに取り組もうとする県の姿勢に、私としても大変心強く感じています。 センター開設から間もなく一年が経過するところですが、引き続き寄り添った支援をお願いしたいと思います。 一方で、まだまだ大きな課題を抱えているのが、医療的ケア児を支える家族の介護疲れについてです。医療的ケア児の多くは、生後一か月から数か月を病院の新生児集中治療室(NICU)で過ごし、在宅医療に移行します。そこからは、本来医師や看護師が行う医療的ケアを指導を受けた家族の方々が行うのですが、二十四時間三百六十五日、付きっきりの対応が必要となります。 ケアの内容や頻度は個人差がありますが、呼吸の管理や夜中の寝返りの対応など、対処が遅れると命の危険もあります。介護に当たる御家族の方は落ち着いて寝ることもできず、疲労こんぱいの日々が続いている方もおられるとのことです。 このような家族の方の負担を軽減するのが短期入所サービス、いわゆるレスパイト施設の利用となります。レスパイト施設医療的ケア児が一日から数週間にわたって利用できる施設であり、常日頃介護に当たる家族の方のレスパイトのみならず、子供本人の発達や成長の支援、家族同士の交流など、医療的ケア児やその家族にとって非常に重要な役割を果たします。 しかしながら、こうしたレスパイト施設のうち、医療的ケア児に対応可能な施設は現在県内で七か所しかなく、宇部・小野田圏域においては一か所のみであり、御家族の方からは、利用したいが近くにない、定員に空きがないというような声を多く伺っています。 施設への移動負担も踏まえると、できるだけ身近な地域で送迎等の移動支援も含めた短期入所サービスが受けられるよう、県におかれましては、早急な環境の整備を進めていただきますようお願いします。 そこでお尋ねします。県では、医療的ケア児やその家族が安心して暮らしていけるよう、今後どのように支援に取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。 次に、各港の特性に応じた港湾整備についてお尋ねいたします。 近時、ロシアのウクライナへの侵攻等による原材料価格の上昇により、物価高への懸念が高まっており、国においては、資源等の安定的な確保のため、国際的なサプライチェーンの強化を図ることが喫緊の課題とされています。 私は、コロナ禍から経済社会活動を回復させ、経済の好循環を実現するためにも、物流の安定化や物流コストの削減を図ることが必要と考えます。 一方で、我が国は四方を海に囲まれており、エネルギーや食料等をはじめとする物資の貿易量の九九%は海上輸送に依存しています。 こうしたことから、国際物流の結節点である港湾の重要性は高まってきており、現在、県が進めている国際バルク戦略港湾施策についても、石炭等の一括大量輸送によるコスト削減効果はもとより、こうしたエネルギーの安定供給の観点から、経済安全保障に資するものとしても評価されるべきであると考えます。 さて、県内においては、港湾の背後に臨海工業地帯が発展し、港湾と一体となって産業基盤を構築しており、その国際的な競争力を確保し、県内産業を支えていけるよう、港ごとの状況やニーズに即した港湾整備を着実に進めていくことが重要です。 県では、先般策定された、やまぐち未来維新プランに、重点施策として、強みを伸ばす産業基盤の整備を掲げられ、企業の国際競争力強化に資する港湾の機能強化に向け、国際バルク戦略港湾施策の推進や将来のカーボンニュートラルポート形成に向けた取組とともに、コンテナターミナルや臨港道路の整備など、各港の特性に応じた港湾の機能強化に取り組まれることとされています。 私の地元の小野田港においても、有帆川の河口部に近いためか、東沖地区で土砂が堆積するなどし、船舶の航行に支障が生じる可能性があることから、泊地等のしゅんせつについて市や関係企業等から要望が上がっております。 船舶の安全な航行は、地元経済の活性化につながるものでもあることから、小野田港の特性を踏まえた港湾機能の確保に早期に取り組んでいく必要があると考えます。 また、今後の港湾整備に当たっては、カーボンニュートラルへの配慮など、時代の変化に対応していく必要もあります。 県では、令和二年からカーボンニュートラルポート形成に向けた検討に取り組まれており、港湾法の改正を受け、来年度から港湾脱炭素化推進計画の策定の検討を行うこととされています。まずは、カーボンニュートラルポート形成の検討を行われた徳山下松港から着手され、県内重要港湾において順次検討されると伺っておりますが、地元の期待も大きいことから、宇部港や小野田港におきましても、なるべく早期の検討を始められますよう要望しておきます。 そこでお尋ねいたします。今後、小野田港をはじめ、各港の特性に応じた港湾の整備にどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 最後に、ICT教育のさらなる推進についてお尋ねします。 新型コロナウイルス感染症の流行を契機として、我が国では、世界的に遅れを取っていた教育分野へのICTの導入が飛躍的に進みました。 本県においても、国のGIGAスクール構想の前倒し等に呼応し、全ての公立学校に一人一台端末等の整備を進め、令和三年度からは、やまぐちスマートスクール構想の推進の名の下に、ICTを活用した教育を展開されています。 先月には、県教委により、高校生が日頃の学習活動などでICTを効果的に活用した実践事例や、専門的なICT技術を活用して製作した作品等を競うコンテストが開催されました。 私もインターネットを通して拝見しておりましたが、参加していた高校生たちのスキルの高さに驚くとともに、審査員を務められていた村岡知事や中井CIO補佐官などを前に、皆それぞれが創意工夫されたアイデアや作品等について堂々とプレゼンテーションする姿に大変心強さを感じたところであります。 こうした取組は、ICT技術の向上のみならず、高い志を持った子供たちが刺激を与え合いながら、新たな価値を創造する力や自らを高め学び続けていく力も伸ばしていくものであると受け止めており、県教委には、引き続きしっかりと取り組み、さらに深めていただきたいと思っています。 一方で、このような先端的な取組が行われている反面、学校間や市町間等で活用に温度差が生じているともお聞きしています。 例えば、通常の授業での活用はもちろんのこと、毎日のように一人一台端末の持ち帰り学習を行うなど積極的に活用している学校もあれば、そこまで踏み出せず基本的に限られた範囲でのみ使用している学校もあるとのことです。 昨年十二月に国が策定した学校教育の情報化に関わる計画でも指摘されているところですが、今やICTの活用は令和の日本型学校教育の前提とされ、これからの教育には必要不可欠であります。 県教委には、県内外の好事例や知見を集約・横展開の上、現場により一層寄り添いながら活用を促進し、県全体の教育の質の向上を図ることがその役割として求められるのではないでしょうか。 また同計画では、デジタルを活用した学校の働き方改革も求めています。 子供たちに豊かな学びを提供するためには、教員が子供たちにしっかりと向き合い、きめ細かに対応できる環境づくりが重要です。 これまでICTの導入に際しては、教員の負担の増加が懸念されていましたが、県教委にはその発想を転換し、子供たちの学びの向上とともに、デジタル化による教員の業務改善も進めていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねします。本県が進める、やまぐちスマートスクール構想が三年目を迎える中、ICTの活用をより一層推進し、教育の充実を図ることが必要と考えますが、県教委として今後どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いします。 以上で私の一般質問は終わりますが、若干時間がございます。 統一地方選が近くなってまいりました。議員の皆様方におかれましても、御支援者のところに御挨拶に行かれておると思いますけれども、私もその一人です。 そこでいろいろ気づく点がございます。一つは、御高齢の方の、特に独居の御高齢の方が非常に多くなっておられるわけですが、その方とお話ししますと、足が悪くて、膝、腰が悪くて道路の向こうにある学校の投票所に行きたくても行けない状況がありますと、そういった声を上げられる御高齢者の方が非常に多いということであります。 これは、やはり選挙の制度については民主主義の根底に関わる問題で、投票に選挙に行きたいのだけれども行けないという状況があるということを、このように放置していいのかということをいろいろと感じる昨今でございます。 この点についての改善につきましては、ぜひ県選挙管理委員会、そして市町選挙管理委員会と協議をしていただいて、早急に改善を図っていただきたいということを声を高く要望いたしまして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 江本議員の御質問にお答えします。 まず、医療提供体制の充実強化についてです。 発生から丸三年が経過した新型コロナウイルスとの闘いを通じ、私たちは、命と健康を守ることが何より重要であることを、改めて強く認識をいたしました。 とりわけ、県民の命と健康に直結する医療提供体制の確保は極めて重要であり、より高いレベルの安心を将来に向けて確保し、本県の医療提供体制を万全なものにする必要があると考えています。 このため、私は、県立総合医療センター高度専門医療や僻地医療、感染症医療等の拠点として、将来にわたって本県医療の中核的役割を担えるよう、今年度、抜本的な機能強化に向けた基本構想の策定に取り組んでおり、先般、センターが担うべき医療機能について取りまとめたところです。 具体的には、まず、高度専門医療については、高度化・多様化する県民の医療ニーズに応えるため、最先端の低侵襲治療や、がんゲノム医療等を導入するとともに、回復期病床を急性期病床に転換するなど、高度急性期・急性期医療への対応力を強化します。 また、子供の健やかな成長を支援する小児医療センターの開設など、複数診療科、多職種が連携する各種診療センターの設置や、身体合併症を有する精神科患者を受け入れる精神病床の新設に加え、県内大学や関係団体等と連携して高度専門医療人材の育成などに取り組みます。 次に、僻地医療については、県内どこでも質の高い医療が受けられるよう、5G等のデジタル技術を活用して専門医による遠隔医療を提供するとともに、地域において幅広い疾患に対応できる総合診療専門医を育成します。 次に、感染症医療については、新型コロナの経験も踏まえ、本県唯一の第一種感染症指定医療機関として、専門病床に加え、即時に感染症対応へ移行可能な一般病棟を整備するなど、十分な受入れ体制を確保します。 また、今後起こり得る新興感染症に備え、重症患者等への集中治療に対応するHCU病床を拡充するとともに、親子の入院等にも配慮したゆとりある療養環境を整備します。 さらに、感染爆発時はもとより、大規模災害時において多数の患者を収容して、集中的な治療が可能となる臨時的医療施設等の設置スペースを確保してまいります。 こうした機能強化を図るためには、現病院は老朽化が著しく、また、狭隘化で療養環境の向上や十分な駐車場の確保が困難であることから、患者の受療動向等を考慮し、近隣への建て替えが必要です。 移転候補地としては、基本構想検討委員会において、全県からのアクセス性がよく、有事の際、防府市が整備を進めている広域防災広場と緊密に連携できることが望ましいとの御意見を踏まえ、県としては、この広域防災広場の隣接地が適地と考えています。 今後、国から示される感染症対策の基本方針等を踏まえ、基本構想の取りまとめを行うとともに、早期に建て替えによる機能強化が実現できるよう、来年度、施設整備等に係る基本計画の策定に着手することとし、所要の経費を予算計上したところです。 私は、県立総合医療センターが、将来にわたって本県医療の中核的役割を一層果たせるよう機能強化を進め、県民の安心・安全の確保に全力で取り組んでまいります。 次に、地方ローカル線の利用促進についてのお尋ねにお答えします。 地方ローカル線は、通勤や通学など沿線住民の日常生活はもとより、地域の経済活動や観光振興などに大変重要な役割を果たしていますが、沿線人口の減少やマイカーへの転換等に加え、長引くコロナ禍の影響により利用が大きく減少し、極めて厳しい環境に置かれています。 こうした中、県ではこれまで、各路線の沿線市町等による利用促進協議会と緊密に連携し、利用者の増加に向けた様々な取組を進めるとともに、JRに対し、ダイヤ改善など一層の利便性向上に向けた働きかけを行ってきたところです。 私は、厳しい状況に置かれている地方ローカル線を維持・確保していくことが極めて重要であるとの認識の下、各路線の実情や住民の意識も踏まえながら、沿線市町や住民等と一体となって、さらなる利用促進による路線の活性化を図っていかなければならないと考えています。 このため、これまでの取組に加え、各路線における日常利用や観光利用の促進に向けた効果的な取組を強力に後押しするとともに、鉄道利用に向けた全県的な機運醸成を図ることにより、地方ローカル線の活性化に積極的に取り組んでまいります。 具体的には、まず、各路線の利用促進に向けた取組が一層進むよう、沿線住民の意識や利用実態等に関する詳細な調査に基づく効果的な利用促進策の検討や、それを踏まえた路線の活性化に向けた具体的な取組を支援することとしています。 また、鉄道ネットワークを活用し、広く県内外からの観光利用の促進を図るため、複数路線が連携して行う企画列車の運行や旅行プランの開発、駅のにぎわいを創出するイベントの開催など、広域での誘客促進に向けた取組を支援してまいります。 こうした取組に加え、将来に向けた持続的な鉄道利用につながる全県的な機運醸成を図っていくことが重要であることから、県内ローカル線への興味や関心を高め、イメージアップにつながる情報をSNSやデジタルサイネージ等様々な手法により、積極的に発信することとしています。 さらに、利用促進の取組に賛同する企業や店舗、団体等をローカル線応援団として登録する仕組みを創設し、通勤や出張など日常生活での積極的な鉄道利用やローカル線利用者への割引サービスの提供などの取組に協力いただくことにより、全県的な機運醸成につなげてまいります。 私は、今後とも、地域住民の日常生活や交流人口の拡大に不可欠な地方ローカル線の維持・確保に向けて、沿線市町や住民、企業等と一丸となって、その利用促進に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 地域医療を支える薬剤師の確保についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が進行し、医療ニーズが多様化・高度化する中、薬剤師は身近な地域での薬に関する相談対応や県民の健康管理への助言を行うなど、その役割がますます重要となっています。 こうした中、僻地等では薬剤師が不足するなど、地域間で偏在があることや、これまで薬学部新卒者の県内就職が少なく、若手薬剤師の数も減少傾向にあることから、地域医療を支える薬剤師の確保が課題となっています。 このため、お示しのとおり、来年度には、山口東京理科大学薬学部の第一期生が卒業を迎えることから、県では、この機を捉え、県内就職から就職後のスキルアップまで一貫した支援の取組を一層強化していくこととしています。 具体的には、まず、県内の病院・薬局の求人情報や就職イベントなどを紹介するマッチング・交流プラットフォームを、来年度、インターネット上に開設するとともに、県薬剤師会に専門相談員を新たに配置するなど、薬学生の県内就職に向けたサポート体制を整備してまいります。 また、薬学生と薬剤師が直接交流する薬学的サイエンスカフェを実施しているところですが、来年度、新たに地域版カフェを開催し、薬学生に対して地域ごとに病院や薬局の様々な職場の魅力を伝え、イメージの向上につなげてまいります。 さらに、県内就職をより促進するため、慢性的に薬剤師が不足している急性期等の病院や僻地の薬局に就職する薬学生を対象に、来年度、奨学金の返還補助制度を創設します。 加えて、就職後も仕事にやりがいを持って成長できるよう、現場での実践力の育成に向けた県共通の研修プログラムを作成し、県内の病院や薬局への導入を図るなど、若手薬剤師のスキルアップを支援していきます。 こうした若手薬剤師の確保・育成に当たっては、薬学生等のニーズを十分に踏まえる必要があることから、山口東京理科大学や県薬剤師会等で構成する薬剤師確保検討チームを設置し、関係者の意見を伺いながら進めてまいります。 県としましては、今後とも、関係団体等と一層連携しながら、地域医療を支える薬剤師の確保に積極的に取り組んでまいります。 次に、医療的ケア児やその家族への支援についてのお尋ねにお答えします。 医療的ケア児とその家族が地域で安心して生活していくためには、市町や関係機関との連携の下、医療的ケア児の心身の状況等に応じた切れ目のない適切な支援が重要です。 このため、県では、やまぐち障害者いきいきプランに基づき、関係機関の連携促進など、医療的ケア児やその家族に対する支援体制の整備に取り組んでおり、昨年四月には支援の拠点として、医療的ケア児支援センターを県内二か所に設置したところです。 このセンターでは、利用可能な福祉サービス等に関する家族からの相談に応じるとともに、病院から退院する医療的ケア児の在宅生活に必要な支援について、関係機関による調整などを行っているところであり、今後もセンターを中心として身近な地域における支援の充実に努めてまいります。 また、医療的ケアの必要な子供を常時介護する家族には、身体的・精神的に大きな負担が生じており、子供の健やかな成長を図る上では、家族の心身の疲労を軽減することが必要と考えています。 お示しのレスパイト施設は、家族の心身の負担軽減につながるものですが、医療的ケア児に対応するためには、新たに医療機器や特殊な送迎車両等の整備が必要であり、その拡大を図る上で課題となっています。 このため、県では、来年度、レスパイト施設を開設・拡充する事業者に対して、医療機器等の導入経費に係る助成制度を創設し、医療的ケア児とその家族が身近な地域で安心して生活できるレスパイト環境の整備充実に取り組むこととしています。 さらに、医療的ケア児の養育に関する不安や悩みを解消し、家族の孤立感が軽減されるよう、引き続き、当事者家族による相談や交流の機会の提供を通じて、家族同士が支え合う活動を支援してまいります。 県としましては、医療的ケア児とその家族の日常生活や社会生活を社会全体で支えるため、引き続き、市町や関係機関等と緊密に連携し、一層の支援の充実に努めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 各港の特性に応じた港湾整備についてのお尋ねにお答えします。 コロナ禍から経済社会活動を回復させ、経済の好循環を実現するためには、県内の産業を支える港湾の整備が極めて重要であると考えています。 このため、県では、やまぐち未来維新プランの重点施策の中で、企業の国際競争力強化に資する港湾の機能強化に取り組むこととしており、国際バルク戦略港湾施策の推進など、各港の特性に応じた整備を進めているところです。 具体的には、まず、国際バルク戦略港湾である徳山下松港及び宇部港については、石炭やバイオマスの一括大量輸送による物流コストの削減はもとより、エネルギーの安定供給にも寄与することから、国や関係企業と連携し、港湾施設の整備に取り組んでいます。 このうち、宇部港については、昨年十一月に本港地区における航路しゅんせつが完了したところであり、徳山下松港については、下松地区における大水深桟橋の整備や、徳山地区及び新南陽地区における岸壁の延伸などを鋭意進めています。 また、三田尻中関港におけるコンテナ貨物の増大に対応するためのターミナル再編整備や、岩国港における物流の効率化を図るための臨港道路整備を進めるとともに、各港における老朽化の状況に応じた計画的な改修など、港ごとの状況やニーズを踏まえた施設整備を着実に進めているところです。 お示しの小野田港については、土砂が堆積しやすいという地形、地質的な特性を有することから、港湾としての機能を確保するため、企業ニーズや船舶利用の実態を踏まえ、来年度から東沖地区の泊地しゅんせつに事業着手することとし、そのために必要な予算を計上しているところです。 また、今後のカーボンニュートラルに向けた取組として、来年度を目途に徳山下松港について、港湾における脱炭素化に向けた目標や事業等を定める港湾脱炭素化推進計画を策定し、引き続き、宇部港や小野田港をはじめとする県内の重要港湾にも順次展開することとしています。 県としては、国や地元自治体、関係企業との連携を図りながら、各港の特性に応じた施設整備やカーボンニュートラルポート形成に向けた取組など、産業の基盤となる港湾の機能強化に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) ICT教育のさらなる推進についてのお尋ねにお答えします。 教育におけるICTの活用は、教育の質の向上や情報活用能力をはじめとした児童生徒の資質・能力を育成する上で不可欠です。 このため、県教委では、県立学校のICT環境を効果的に活用し教育活動の充実を図る、やまぐちスマートスクール構想の実現に向けた様々な取組を進めているところです。 具体的には、研修等により教員のICT活用指導力の向上を図り、一人一台タブレット端末等を活用した児童生徒の主体的な学びの支援につなげるとともに、高校生等を対象としたICT活用コンテスト等の開催を通じて、ICTスキルの向上やトップレベルのデジタル人材を目指す意識の醸成に努めています。 また、県立学校と県外の学校をつないだ遠隔授業等を実施し、英語のコミュニケーション能力の向上や異文化への理解促進等を図るほか、離れた場所から授業に参加することができる分身ロボットを活用し、障害や病気等で通学が困難な児童生徒の学びの機会を保障する取組も進めています。 こうした取組が三年目を迎える中、今後は、これまでの取組に加え、ICT環境をさらに効果的に活用し、児童生徒の学びの質を高めるとともに、教員の業務改善に向けた取組も進めていくことが必要です。 このため、まず、児童生徒一人一人に合った学びの支援に向け、タブレット端末の利用により蓄積された教育データを学習指導等に生かすことができるシステムや体制の構築に取り組んでまいります。 また、小・中・高等学校を通じたプログラミング教育の充実が求められていることを踏まえ、より早い時期からデジタル分野への興味・関心を喚起するため、ICT活用コンテストに小中学生のプログラミング部門を創設することとしています。 さらに、デジタル機器を活用した採点システムの導入により、定期テスト等の採点の効率化など教員の業務改善や、子供たちに向き合う時間の確保につなげるとともに、県立学校に導入している統合型校務支援システムの改良によりさらなる活用を進めることで、多様な校務処理の効率化も図ってまいります。 県教委といたしましては、ICTの効果的な活用により、教育の質の向上や児童生徒の資質・能力の育成を図るため、やまぐちスマートスクール構想のさらなる推進に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 上岡康彦君。    〔上岡康彦君登壇〕(拍手) ◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。それでは、一般質問させていただきます。 初めに、LPガスの料金高騰対策についてお尋ねいたします。 コロナ禍によって停滞していた世界各国の経済活動が、ウイズコロナの下で再び動き始めた途端に、世界的にエネルギー需要が高まり価格の上昇を招きました。加えて、ロシアによるウクライナ侵攻が原油、石炭、天然ガスなどのエネルギー資源や、小麦をはじめ食料、油脂、飼料穀物などの価格高騰にも拍車をかけています。さらに、円安も影響し、物流コストの増大も追い打ちをかけており、エネルギー資源も食料資源も輸入に頼っている日本にとっては、とてつもない大きな打撃となっております。 政府による価格高騰対策としては、例えば小麦の売渡価格について言えば、通常は四月、十月の年二回、直前半年間の輸入小麦の円建て価格を基に算定されることになっていますが、昨年十月の価格改定は実施せずに、今年四月の価格改定において過去一年間の価格を基準とすることとして改定が見送られ、消費者を守るための施策が実施されました。 また、昨年十二月に成立した令和四年度の第二次補正予算においては、公明党も強く主張した電気、ガスの利用料金について負担軽減措置が施され、電気料金対策にはおよそ二兆五千億円、都市ガスの利用料金対策には約六千二百億円が措置されたところであります。 問題はここからです。地元のある方から、都市ガス利用料金への負担軽減とは言われるが、プロパンガス、つまりLPガスを使っている家庭には支援は何もないのかという質問でした。調べたところ、私も愕然といたしました。 昨年十二月に成立した国の第二次補正予算の中には、LPガス事業者向けに百三十八億円の支援があるのみで、消費者向け価格抑制のための支援は盛り込まれておりませんでした。しかも、電力、ガス、食料品などの価格高騰対策として、九月に配分済みの地方創生臨時交付金において、LPガス利用者への支援措置を追加で検討するよう、地方に対して国から事務連絡があったとのことでした。 確かに国は、電力、ガス料金等の高騰の負担軽減対策を目的に、地方創生臨時交付金を配分しており、実際の施策は地方自治体が決定する形になっております。ところが、本県も含め複数の自治体では、既にコロナ禍での医療・介護や中小企業対策、低所得者向けの対策などで地方創生臨時交付金の使い道は決定しており、余剰金はないのが実態であります。 さきに述べました国の補正予算におけるLPガス事業者向けの、小売価格低減に資する石油ガス配送合理化補助金、百三十八億円も大切であると十分に理解しておりますが、今ほど生活者や事業者が物価高に苦しんでいるときはないと思います。 LPガスのほうが都市ガスに比べもともと料金が割高な上、都市ガス同様に価格は上昇しているにもかかわらず、家計や事業所に係る負担は不公平と言わざるを得ません。まして、地方においてLPガス利用世帯や事業所は都市部に比べて多いはずです。電気や都市ガス料金は一月使用分から負担軽減が適用されていますが、多くのLPガス利用者が負担軽減対策から取り残されているという現実があり、一刻も早い対応を願いたいと思います。 そこでお尋ねします。現下の物価高騰対策については、まずは国において責任を持って対応されるべきと考えますが、県としても、LPガス利用者だけが支援から取り残されて不公平な扱いを受けることがないように強く国に求めていただきたいと思います。知事の御所見をお伺いいたします。 次に、脱炭素社会の実現と徳山下松港の整備促進について伺います。 現在、徳山下松港は、平成二十八年に徳山下松港国際物流ターミナル整備事業が採択され、西日本地域へ石炭を安価で安定的に、しかも大量の輸送を可能にするため、大型の石炭運搬船の入港に対応した国際物流ターミナルの整備途中であります。さらに、平成三十年には、石炭の特定貨物輸入拠点港湾に指定されたことから、効率的かつ安定的な輸送ネットワークの形成と海上輸送コスト削減による生産性の向上を図るための港湾整備も進められております。 ところが、二○五○年カーボンニュートラルに向けた企業の取組により、エネルギー資源の取扱いについては、今後は石炭のほかにも水素やバイオマス燃料等の取扱いが増大すると見込まれております。 しかし、今後の変化に対応するためには、岸壁の整備による貨物船の滞船解消、船の渋滞の解消や、コンテナヤード等の確保が必要となってきており、国際競争力の強化につなげるためにも、国際物流ターミナルとしての機能強化は喫緊の課題となっております。 そのような中、令和二年に国土交通省が、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化を通じてカーボンニュートラル実現に寄与しようと全国六地域の港湾を選定しました。徳山下松港もその港湾のうちの一つであり、本県の未来にとって一層重要な位置づけとなる港湾になりました。 本年度、カーボンニュートラルポート形成検討のための予算として二千百万円、令和五年度も港湾脱炭素化推進計画策定に向けた二千百万円の予算が計上されているところであります。また、このたび、徳山下松港カーボンニュートラルポート検討会において議論を重ねてきた、今後の徳山下松港の目指すべき姿や取組の方向性について、その検討結果が取りまとめられたところであります。 本県の強みが発揮できる水素や、あるいは燃料アンモニアやバイオマス燃料等を軸とした脱炭素社会を推進するため、徳山下松港を次世代エネルギーの供給拠点、いわゆるカーボンニュートラルポートへの整備促進が急ぎ求められております。 そこでお伺いいたします。山口県の国際競争力強化に資する戦略港湾として早期の機能強化とともに、次世代エネルギー供給拠点としての徳山下松港カーボンニュートラルポート形成に向けた取組について、今後どのように進めていかれるのかお伺いいたします。 次に、高齢者のデジタルディバイド解消についてお尋ねいたします。 デジタルディバイドは、対象により三つに大別されます。 一つ目は、国際間で起きるデジタルディバイドです。情報通信インフラの整備が進む先進国と発展途上国の間には大きな情報格差が生まれます。 二つ目は、地域間で起こるデジタルディバイドです。国内の都市部と地方部の間に生じる情報格差のことで、各地域によって情報通信インフラの整備状況も異なりますし、ICTを使いこなす人たちが都市部に集中してしまうことも、地域間デジタルディバイド、格差を広げる要因の一つだと言われています。 三つ目には、個人・集団間で起きるデジタルディバイドがあります。これは個人や集団の年齢、学歴、所得などによって生じる情報格差のことであります。 これらの分類のうち、三つ目の個人間・集団間で起きるデジタルディバイドにおける年齢の相違による情報格差、要するに高齢者のデジタルディバイド問題が、超高齢化社会を背景に特に問題視されていることは改めて言うまでもありません。 総務省などは、デジタル活用に不安のある高齢者などを対象に、全国で講習会を開催しています。二○二一年度は約二千か所、二○二二年度も約四千五百か所、二○二三年度は約六千か所で開催が予定されているようであります。携帯ショップを中心に開催されており、高齢者などがより身近な場所で参加できるようにと、公民館等でも講習会を行うことが検討されています。 政府は、二○二一年度から二○二五年度の五年間で、延べ一千万人の参加を目指し、こうした取組により、誰一人取り残されないデジタル社会の実現に向け、高齢者等がより豊かで便利な生活を実現できるようにとデジタルディバイドを解消しようと取り組んでいます。 あわせて、デジタルと聞いただけでちゅうちょする高齢者等が取り残されないよう、デジタル機器・サービスの基本的な利用方法をサポートしてくれるデジタル推進委員やデジタル推進よびかけ員の募集も段階的に始まっており、現在全国で二万人を超えるデジタル推進委員がデジタル大臣より任命されています。 こうした取組との連携や市町における国事業の活用についても、本県でさらに進めていく必要があると思います。 県においても、独自の支援制度を設け、市町による取組を積極的に支援されており、これにより、それぞれの市町が工夫を凝らした取組が様々な形で行われています。 例えば、私の地元周南市では、県の支援を使い、高齢者がスマホを使い、簡単に様々な情報にアクセスできるQRコードパンフレットの作成に取り組んでいると伺っています。その他の市町においても、様々な形でこの事業が活用されており、各地域で開催されるスマホ教室も非常に好評で、役所が主催するとの安心感や公民館などの身近な場所で行われることもあり、多くの方が利用されていると伺っております。 これに加えて、携帯事業者との取組もニュースで取り上げられておりましたが、初めてのキャッシュレス決済やSNS体験など、参加者が非常に楽しんでおられる様子が紹介され、とても印象的でありました。 こうした高齢者の皆さんに寄り添った取組こそが求められており、さらに取組が進むよう、事業の継続的な実施と、さらなる充実も図っていただきたいと思っております。 話は変わりますが、先日、コンビニで買物の支払いのためレジに並んでおりました。先頭にいた初老の女性が、スマホを取り出しキャッシュレスで買物しておられました。何と先進的な方だなと感心しておりました。続いて、私と同年代の女性もカード払いでキャッシュレス、スマートな支払いの次に並んでいた私は、もちろん現金で支払いをしました。ちょっと劣等感を覚えてしまいました。ひょっとしてデジタルディバイドという壁をつくっているのは、高齢者ではなく現役世代の我々ではないのかと感じました。 高齢者もその機会があれば積極的に講習会にも参加するし、スマホを使いこなしている方もたくさんいらっしゃいます。決して必要に迫られることもないのだけれども、スマホやICT機器の操作を教えてさえくれれば、あるいは使いこなせば、より便利に豊かに暮らせることを知るチャンスがもっとあれば、少しは山口県の高齢者のデジタルディバイド解消が進むのではないでしょうか。 県には、さらなる取組の強化をお願いをしたいと思っております。 そこで、今後、市町等と連携を図りながら、どのようにデジタルディバイド対策を進めていかれるのか、お尋ねをいたします。 次に、ヤングケアラー支援についてお尋ねします。 昨年七月四日から三十一日まで、山口県が独自に行ったヤングケアラー実態調査については、厚生労働省こども家庭局発信の、ヤングケアラー支援体制強化事業の実施についての通達にのっとり、ヤングケアラーの人数、ケアの頻度や時間を含めた家族のケアの状況やその影響等のヤングケアラーの実態を把握することに加え、子供の気持ちに寄り添い、支援が必要なのか、そしてどのような支援が欲しいのか等についての調査を実施したと承知しております。 また、その調査結果を踏まえた上で、新年度予算においてヤングケアラー相談支援体制整備事業として予算措置がなされたところであります。 結果が報告された直後の昨年十一月議会でも、我が党の猶野議員が、実態調査の結果を基に家事や家族の世話を日常的に行っているヤングケアラーの早期発見、把握のための仕組みづくりや、そうした子供たちが相談しやすい体制の構築、さらには適切な支援につなげるために、社会全体で支える環境づくりをどのように進めるのか、質問をさせていただいております。新年度予算では、具体的にどのようなメニューとして反映されているのかを伺いたいと思います。 一点目に、ヤングケアラー相談窓口について伺います。 ヤングケアラー専門の相談窓口を設置した上で、そこに専門のコーディネーターを配置するとしています。県内のコーディネーターの配置については、県と市町や福祉サービス事業者などとの文字どおりコーディネート役であり、重要な役目を担うことになります。その意味で一定の要件を満たした者がふさわしいと考えますが、一体どのような機関、事業所がヤングケアラーコーディネーターを引き受け、市町に対する相談窓口設置の働きかけ、あるいはまた福祉サービスへのつなぎ役など、関係機関との専門的な連携や調整をするのか、まずお尋ねいたします。 続いて二点目に、かつて自ら家族の世話を経験した元ケアラーや学生ボランティア等によるピアサポート活動及びSNSを活用したオンラインサロンの運営など、ヤングケアラー支援に関わるボランティア人材の育成についてお伺いいたします。 ヤングケアラーがより気軽に悩みや経験などを共有できる新たな場所として、SNSやICT機器等を活用したオンラインサロンが設置・運営されることになります。利用者の利便性を考えた場合、やはりオンラインで様々な相談等が行えることが望ましいと思います。地域の実情に応じて対面でのサロンの実施を妨げないとされていますが、いずれのケースにしても、ここで留意しなければならないのは、ヤングケアラーのみならず、その家族や支援者側のプライバシーにも配慮した個人情報や家庭状況の取扱いです。 個人情報保護の遵守は当然のこととはいえ、SNSやオンラインサロンの運用上で、知られたくない情報、状況が無造作に映し出されたり、漏えいしたりすることがないよう、ICT機器の活用にある程度習熟した方、もしくは操作上のサポートが受けられる環境下でピアサポート活動が展開されなければなりません。 相談の性格上、当事者本人の家庭の事情にまで踏み込まなければヤングケアラーの根本的な解決に至らないことが多いはずです。SNS、ICTの活用方法には利便性や手軽さも大切ですが、安心して相談できるピアサポーターの育成が必要だと考えます。 そこでお尋ねいたしますが、ピアサポート活動に参加するボランティア等に対する研修等、ボランティア人材の育成については、どのように実施される計画なのか、お伺いいたします。 最後に、公立夜間中学についてお尋ねいたします。 県教委は、昨年十月中旬から十二月中旬にかけて、中学校夜間学級、いわゆる夜間中学に係るニーズ調査を実施され、先般、その調査結果が発表されたところであります。 この調査は、令和二年に実施された最新の国勢調査の結果も踏まえた上で、夜間中学に入学を希望する方々の潜在的な需要の有無を、山口県全体として把握する目的で実施されたものであります。したがって、当事者には当然ながら、保護者や支援者にも幅広く調査が届くようにと、市町教委や関係団体にも協力を得ながら進められたと伺っております。また、回答は質問を記載した用紙のみならず、ウェブでの回答方法なども取り入れ、様々な工夫を凝らしてたくさんの情報収集しようとの姿勢が見受けられます。 振り返りますと、平成二十六年十一月議会で、私は当時の下村文部科学大臣が、教育再生実行会議の提言に夜間中学の設置を促進する重要性が明記されたことを踏まえて、少なくとも各都道府県に一つは設置されるよう促進したいと答弁されたことを紹介しながら、夜間中学の必要性について訴えました。 教育長の答弁は、学齢期に様々な事情により義務教育を修了できなかった方々に、社会生活に必要な基礎的な知識や教養を身につけるための学習機会を提供することは大切なことだとの受け止めを述べられましたが、本県においては公立の夜間中学校を設置している市町はなく、今までのところ、住民の方から設置の要望を受けた市町教委もないとの答弁でありました。 あれから足かけ九年の歳月が過ぎましたが、その後、平成二十七年六月議会、令和四年六月の議会や文教警察委員会でも公明党として取り上げてまいりましたので、今回の夜間中学のニーズ調査については、ようやく第一歩を踏み出したという感慨深い思いでもあります。 今回の調査では、様々な地域や年齢層からのニーズが想定される中、様々な事情により、小中学校へ通えなかった義務教育が未了である方をはじめ、日本に滞在しているものの、母国等で日本の中学校に当たる教育を十分に受けていない外国籍の方、また中学校は卒業したが、事情によりほとんど学校に通えなかった方、そして現在、何らかの事情で中学校に通えない学齢期の方、いわゆる現在不登校の生徒さん等からの回答を想定して実施されています。 つまり調査結果から、潜在的な夜間中学に対する期待や具体的なニーズを細かく読み取ろうとしたものだと考えておりますが、さきにも述べましたように、国においては各都道府県や指定都市に一校以上の夜間中学の設置を目指すと方針を打ち出している中にあって、本県としても、こうした方々からのニーズがあるのであれば、それを正確に把握し、学びたいという意欲に応えていく必要があると改めて申し上げておきたい。 そこでお尋ねいたします。今回の夜間中学のニーズ調査結果をどのように分析しておられ、その結果を踏まえ、今後どのようにニーズに対応していくおつもりなのか、お尋ねをいたします。 以上で、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 上岡議員の御質問のうち、私からは脱炭素社会の実現と徳山下松港の整備促進についてのお尋ねにお答えします。 本県経済の屋台骨である瀬戸内沿岸の基礎素材型産業をはじめとする基幹産業が、国際競争を勝ち抜くためには、物流の効率化を実現し、コストの削減に寄与する港湾の機能強化を図ることが極めて重要です。 このため、私は、これまで、徳山下松港及び宇部港において、大型船舶を利用した一括大量輸送により、石炭の安価かつ安定的な供給の実現に向け、国際バルク戦略港湾施策の推進に取り組んできました。 こうした中、地球温暖化対策の流れを受け、石炭を扱う多くの企業は、当面の措置としてバイオマス混焼による二酸化炭素の排出削減を進めてきたことから、現在、徳山下松港において、バイオマスの輸入拡大も踏まえ、大水深桟橋の整備や岸壁の延伸などを鋭意進めているところです。 さらに、各企業においては、水素、燃料アンモニア等の次世代エネルギーへの転換など、脱炭素社会の実現を目指したさらなる取組が進められています。 このため、こうした脱炭素化への動向を踏まえ、令和二年度から、徳山下松港について、カーボンニュートラルポートの形成に向けた検討会を開催し、国や関係企業等との緊密な連携の下、様々な視点から検討してまいりました。 その結果、当面は、バイオマスの混焼により二酸化炭素排出量の削減に努めつつ、将来は、西日本エリアの次世代エネルギー供給拠点港への進化を目指すという取組の方向性を、このたび、取りまとめたところです。 今後は、この方向性も踏まえ、新たに協議会を設置し、昨年の港湾法改正により法定化された港湾脱炭素化推進計画を、令和五年度を目途に策定する考えです。 この計画の策定に当たっては、脱炭素化に向けた目標や事業等を定めることとしており、将来を見据えた燃料アンモニアのサプライチェーン構築や、港湾における副生水素の利用拡大に係る事業などについても検討を深めていくこととしています。 さらに、計画策定後は、徳山下松港におけるカーボンニュートラルポートの形成に向け、官民が連携し、関連技術の進展等も踏まえながら、計画に沿った取組を進め、港湾機能の高度化等を図ってまいります。 私は、脱炭素社会においても、本県産業が国際競争を勝ち抜くための産業基盤となる港湾の機能強化に、今後とも積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 松岡総合企画部長。    〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 ◎総合企画部長(松岡正憲君) LPガスの料金高騰対策についてのお尋ねにお答えします。 我が国の経済は、ウイズコロナの下で正常化に向かいつつある一方で、エネルギー価格が上昇し、国民の生活や事業活動に大きな影響を及ぼしています。 そのため、県では、こうした影響を緩和するため、昨年、全国知事会を通じて、全国一律の強力な対策を講じるよう、国に要請を行いました。 これを受け、国は新たに、物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を策定しましたが、LPガスについては、価格の大幅な上昇が見込まれないことに加え、約一万七千社ある事業者を通じた直接的な料金軽減対策は困難との理由から、消費者への支援措置は盛り込まれませんでした。 その結果、都市ガスの利用者とLPガス利用者との間で、家計における負担の差が拡大していることから、県では、先般、問題意識を共有する三十八の都府県と連携し、LPガス料金についても、国が消費者の負担軽減策を講じるよう、緊急要望を行ったところです。 県としては、生活に不可欠な電気、ガス等の価格高騰対策は、地域によって支援に差が出るべきではなく、国において一律に対応されることが適当と考えており、今後とも、エネルギー価格の動向を注視しながら、国に必要な働きかけを行ってまいります。 次に、高齢者のデジタルディバイド解消についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が急速に進む中、コロナ禍を契機に、社会のデジタル化が大きく進展していることから、人にやさしいデジタル社会の実現を目指す上からも、高齢者のデジタルディバイドの解消は重要な課題です。 このため、県では、市町や携帯電話事業者等との連携体制を構築して、県独自の支援事業に取り組み、デジタルディバイド対策を積極的に推進しているところです。 具体的には、市町との連携により、高齢者のニーズを踏まえ、身近で訪れやすい公民館等でのスマホ教室や高齢者の活用リーダー養成講座等を延べ約百五十回開催し、約千六百人の参加を得ました。 また、お示しの周南市によるスマホで生活に役立つホームページに簡単にアクセスできるパンフレット作成など、高齢者のデジタル活用につながるモデル事例も生まれており、こうした事例の横展開にも取り組んでいます。 次に、携帯電話事業者との連携では、キャッシュレス体験やeスポーツ体験などの取組が非常に好評で、事業者からは、県主導の他県にない取組であり、本県の事例を他県のモデルにしたいと言われています。 こうした取組により、様々な成果が上がっていますが、依然として高齢者のニーズは非常に高いことから、今後もこれにしっかりと応えていく必要があります。 このため、来年度は、市長会・町村会の協力も得て、市町への支援を強化するとともに、事業者によるキャッシュレス体験の広域展開など、取組のさらなる充実を図ることとしており、引き続き、市町等と連携し、各地域で高齢者に寄り添った、きめ細やかな取組を進めていきます。 加えて、国の取組との連携も重要であるため、市町に対し、講習会の開催等、国の支援事業の積極的な活用を促しており、本県での活用事例を増やしていきたいと考えています。 また、デジタル推進委員については、全国知事会等を通じて、国に情報提供や地方での活用への支援等を要請しており、各地域の取組に生かしていきたいと思います。 県としては、誰もがデジタルの恩恵を受けることのできる、人にやさしいデジタル社会の実現に向け、国や市町等と緊密に連携しながら、高齢者のデジタルディバイド対策に積極的に取り組んでまいります。
    ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) ヤングケアラー支援に関する二点のお尋ねにお答えします。 ヤングケアラーは、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負うことで、本人の生活や教育に影響があることから、学校や福祉サービス提供事業者、行政機関等が緊密に連携を図りながら、早期に把握し、適切な支援につなげることが重要です。 このため、県では、昨年七月に実施した本県独自の実態調査の結果を踏まえ、ヤングケアラーを社会全体で支援する体制の整備に向け、来年度、新たに、専門相談窓口の設置や支援に関わる人材の育成などに取り組むこととしています。 まず、専門相談窓口の設置についてです。 子供が置かれている状況は様々であることから、その状況に応じて、福祉、介護、医療、教育など多岐にわたる相談に的確に対応し、関係機関と連携を図りながら、適切な福祉サービスにつなげていくことが必要です。 このため、県では、地域における子供や家庭に関する相談対応に十分な実績があり、市町や学校等の関係機関との連携に強みを持つ団体を公募により選定し、子供等からの様々な相談にワンストップで対応する、専門相談窓口を設置することとしています。 また、この相談窓口には、豊富な知識と経験を有するコーディネーターを配置し、市町において多機関連携による適切な支援が行えるよう、必要な助言を行うとともに、学校や福祉サービス提供事業者等の職員に対し、実践的な研修を実施してまいります。 次に、支援に関わるボランティア人材の育成についてです。 子供が抱える悩みや不安を軽減するためには、同じような境遇にある人同士が交流し、支え合うピアサポートによる居場所づくりを進めることが重要です。 このため、県では、来年度、若者に身近なSNSを活用し、子供たちと年齢が近く、家族介護の経験がある大学生等のボランティアがサポートを行うオンラインサロンを開設することとしています。 サロンの運営に当たっては、お示しのとおり、個人情報保護に留意する必要があることから、ボランティアに対し、個人情報の取扱いを含め、相談支援の基礎知識等に係る研修を事前に実施するなど、子供が安心して相談できるボランティア人材の育成に取り組んでまいります。 県としましては、次代を担う子供が安心して健やかに成長できるよう、市町や関係機関等と連携しながら、今後とも、ヤングケアラーへの支援に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) 公立夜間中学についてのお尋ねにお答えします。 夜間中学は、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した方や、不登校など様々な事情により十分な教育を受けられなかった方、外国籍の方などが再び学ぶ場として、重要な役割を果たすものと認識しています。 このため、県教委では、最新の国勢調査の結果等を踏まえ、夜間中学への入学を希望する方の潜在的な需要の有無を全県的に把握することを目的として、昨年十月から十二月にかけてニーズ調査を実施し、当事者や支援者から百七十三件の回答が寄せられたところです。 その結果、今回の調査では、夜間中学に対するニーズや関心は、現在不登校となっている学齢期の生徒の中に多く見られ、当初想定していた義務教育未修了者や外国籍の方の回答はほとんど確認されなかったところです。 さらに、夜間中学があれば通ってみたいと回答した方は、幾つかの市町に集中しており、その大半が三十分以内の通学時間を望まれていることも分かりました。 こうした結果を踏まえ、県教委では、今後各市町教委と協議の場を設け、今回のニーズ調査の市町ごとの分析結果や、各地域の実情なども勘案の上、夜間中学設置の必要性について、共に検討していくこととしています。 また、市町教委と検討していく中で、さらに詳細な調査が必要となった場合には、今回のニーズ調査の実施手法の提供や、近隣の市町が合同で実施する調査への協力なども行ってまいります。 さらに、設置に向けた具体的な検討を行う市町には、教職員の配置や教育課程の編成、施設改修等に係る補助制度の情報提供など、設置・運営に必要な支援に取り組んでまいります。 県教委といたしましては、義務教育を受ける機会を保障する観点から、引き続き市町教委とともにニーズの把握に努め、公立夜間中学の設置の必要性について検討してまいります。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時三十五分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(二木健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第六十一号まで ○副議長(二木健治君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十一号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 戸倉多香子さん。    〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) ◆(戸倉多香子さん) 民政会の戸倉多香子です。通告に従い質問いたします。 初めに、県民から信頼される県政の推進についてお尋ねいたします。 私は、昨年の二月定例会で代表質問に立ち、三期目の当選をされた知事にお祝いを申し上げ、知事の新たな四年間の県政運営についてお尋ねいたしました。 その際、一昨年に起きました公職選挙法違反による副知事の辞職についても取り上げ、県民の皆様の信頼を取り戻すためには、不偏不党で公平・公正な県政運営が今まで以上に求められるのではないでしょうかと知事の御所見を伺いました。 知事は、これまでも、公正・中立を旨とし、不偏不党の立場で県政運営に当たってまいりましたと述べられ、公職選挙法違反の事案については、現在、外部の弁護士をトップとするチームが調査を行っているところであり、今後、その結果を基に、職員へのコンプライアンスの徹底をはじめとする再発防止の取組を実施してまいりますと答弁されました。 最初の質問は、県民から信頼される県政の推進についてです。 その議会の後、二月定例会が終わった後、三月二十四日に公表された、山口県前副知事による公職選挙法違反事案に係る調査報告書の中の再発防止に向けた提言の内容を読みますと、予想以上に、県に対して厳しい言葉の並ぶ内容となっていて大変驚きました。この点については、私たちの仲間の議員の皆さんも取り上げられたと思います。私は、「文責 弁護士 高村七男」とされた「おわりに」のページが心に残っています。 そこには、「以上、るる申し述べたが、提言を総括するに当たり、調査に対し寄せられた回答の中で提言との関係で特に注目し、参考になると思料されるものを改めてここに列記し、拙文に代える。」として、九項目のことが書かれていました。 その最初には、一、「知事自らが宣言したので、今後は同様の事案は発生しないと考える。」と、知事への信頼と期待の言葉がありました。 そして、三には、「今回の事案が明るみになり、「もうやらなくてよい」と安堵した職員が大半ではないか。」との記載もあり、これまでの職員の皆様の複雑な思いも酌み取った内容となっておりました。 しかし、七には、「議会との関係を見直さない限り、また同様のことが行われる可能性が高い。」とも書かれており、県民の信頼を取り戻すには、まだまだ課題が山積していると心配しておられるようにも読み取れます。 そんな中、昨年は残念ながら県民の信頼を損ねかねない事案が相次ぎました。 その一つが、全国でも話題となったセンチュリー購入問題です。 公用車として、高級車のセンチュリーを購入したのは違法な支出であるとして、県の元職員さんが県を相手取り起こされた住民訴訟ですが、山口地裁は、村岡知事に購入費全額の二千九十万円を請求するよう県に命じる判決を下しました。 昨年十一月二日の判決ですが、実際にこの購入が決定されたのは、公職選挙法違反の事案で辞職された小松前副知事が就任されるより前の時代のことであり、知事もその決裁内容を直前まで知らなかったという信じがたいことが起きていたわけですから、県民の間に不信感が広がったのも無理のないところです。 また、県民の思いを分断しながらも実行された安倍元総理の県民葬もありました。残念ながらお亡くなりになった安倍元総理の国葬については、山上容疑者の銃撃の動機が、旧統一教会の問題であることが明らかになるにつれ、法的根拠もない国葬を行うことに批判の声が上がるようになりました。 各報道機関の世論調査で六○%以上の方が反対される中で国葬が実施され、その決断により、岸田総理の支持率は急激に下がり続けました。 そういう中でも、山口県は、安倍元総理の地元であるということで、県民の反対の声には耳を貸さず、県民葬の実施を断行されました。県民の間に様々な意見がある中での実施に、不信感を抱かれた方もあると思います。 昨年の二月定例会でお尋ねした村岡知事の三期目の県政運営について、知事は、多様な主体との連携・協働が不可欠であり、引き続き、県議会をはじめ市町や関係団体、企業、大学、そして県民の皆様と力を合わせて、一丸となって、より大きな成果を目指していきたい。その基盤となるのが県民との信頼関係だと答弁され、私たち議員は、知事が何より県民からの信頼を大切にされていることを再認識いたしました。このことを広く県民の皆様に御理解いただけるよう取り組むことが重要だと考えます。 村岡県政三期目の四年間のうち、一年が過ぎた今、外部の弁護士をトップとする調査チームの再発防止に向けた提言は、県民から信頼される県政の推進に向けた取組にどのように生かされたのか、またその提言にあるように、これまでの特定の政党に対する悪しき配慮を完全に断ち切り、公平・公正な立場で行動するという県として本来あるべき姿を県民に明確に示すことができたのか、そして県民からさらに信頼される県政づくりを進めるために、知事は今後どのように取り組まれるおつもりか、この三点についてお尋ねしたいと思います。 次に、令和五年度当初予算案についてお尋ねいたします。 初めに、県税収入増に見合った分配についてお尋ねいたします。 二月定例会初日、知事は、新たな県づくりの本格始動と、新型コロナ対策・物価高騰緊急対策、この二つの柱に沿って編成された来年度予算は、一般会計の総額が前年度当初予算に比べ一・○%増の七千九百四十億一千三百万円となったことを説明されました。 歳入予算については、まず県税収入について、円安等に伴う輸入額の増加により、地方消費税の増収が見込まれるため、前年度に比べ七十五億円増、率にして三・九%増の二千七億九千万円を計上したことが報告されました。 また、予算概要説明資料には、地方消費税清算金について、全国の地方消費税の増収が見込まれるため、前年度に比べ七十八億円増、率にして一三・三%増の六百六十七億円となっていることも説明されています。 さらに、令和四年度補正予算案では、県税収入について、企業収益の改善により、法人二税等の増収が見込まれることから、百二十七億九千二百万円の増額補正を行っていることが報告されました。 そして、地方交付税については、国の補正予算に伴う再算定等の結果、九十一億三千六百万円を増額すると報告されています。 以上の説明の内容を考慮すると、知事の言われたとおり、我が国経済の先行きが不透明な中、厳しい財政状況は続いているという現実は変わらないのでしょうが、様々な要因が重なって、県税収入等が増えていることは事実です。説明資料には、県税は過去最高とされていました。 しかし、来年度の一般会計の総額は、前年度当初予算に比べ一・○%増ということで、県税収入等の増加に見合った伸び率とはなっていません。 知事は、議会初日、今後はコロナ前よりも経済や暮らしをより高いレベルに引き上げていく発展的再生を目指すと話されました。 そのための予算として、来年度の予算案が、県税収入等の増加に見合ったベーシックサービスを充実させる予算となっているのか、住民サービスを向上させる予算となっているのか、疲弊した社会経済を力強く再生させる予算となっているのか、知事の御所見を伺います。 次に、新たな基金の創設についてお尋ねします。 このたび、県税収入の上振れ分等を活用し、令和四年度二月補正で、合わせて二百億円の四基金を積み立てると説明がありました。 知事からは、やまぐち未来維新プランに掲げる重点施策を五年間の計画期間に着実に推進し、確かな成果につなげていくためとの説明があり、このことについては否定はしませんが、わざわざ基金として積立てをする意義や期待される効果については、どのようにお考えなのでしょうか。 基金の財源としては、令和四年度の法人二税等の増収百二十七億九千二百万円などが考えられますが、この基金から令和五年度当初予算において充当されるのは二十七億円のみです。 先ほども申し上げましたが、前年度当初予算に比べ一・○%増の予算案は、率だけで比べると、県税収入等の増加に見合ったものとはなっているとは言えません。そのような状況で、この五年間の事業の財源を先取りするような基金の積立てについて、知事のお考えをお聞きしたいと思います。 次に、中小企業や小規模事業者支援についてお尋ねします。 令和四年度補正予算案や令和五年度当初予算案で県税収入等が増収という説明がされるたびに、まるで景気が回復しているような錯覚に陥ってしまいますが、思ったよりはコロナの影響が小さかったと言われる大企業は別として、これまでも質問で取り上げてきましたように、コロナ前から経営状況の悪かった中小企業や小規模事業者、個人事業主などは、コロナの影響に加え急激な物価高騰、さらにはゼロゼロ融資などの返済も始まるなど、本当に大変な状況と聞いています。 コロナ対策に関連した補助金を受けた企業や個人事業主さんも多いと思いますが、それらは売上げに上がるため、見かけの売上げはあまり下がっていないように見えるのではないかと思いますが、そういった補助金もなくなっていくと、実際の売上げはコロナ前ほどには戻っていないことを痛感する方も多いのではないでしょうか。 県内各地域の経済と雇用を支えて、町の歴史や文化を紡ぎながら、次の世代にも伝える役割を担ってきた商店や飲食店などの店主たちが疲れて、諦めて閉店していく、そういった悪循環を止めるために、まだまだ支援が必要だと思います。 知事の予算案の説明では、中小企業制度融資において、中小企業者の脱炭素化に向けた意欲的な取組に必要な資金需要に対する新たな資金を創設するとの話も出ました。 予算説明資料には、賃金引上げ・価格転嫁支援資金や返済負担軽減借換等特別資金などの説明もあり、利用できる方はぜひ金融機関に相談していただきたいと思いますが、飲食店の店主たちからは、借入れは返済しなくてはいけないのでもうできないという返事ばかりが返ってきます。 あるいは、様々な補助金を受けている企業であっても、補助金漬けにはなりたくないと考える事業主さんの声も聞きます。どんな支援が必要なのか難しい問題ですが、事業を続けていただくために、それぞれの悩みに寄り添った支援を引き続きお願いしたいと思っています。 今年は十月からインボイス制度が始まるとされています。実質大増税となる方もいらっしゃると思いますので心配しています。それらへの対応は、県としてもできることは限られているのでしょうが、それらも含めて、中小企業や小規模事業者支援に、県はどのように取り組まれるのでしょうか、お尋ねいたします。 新年度予算案の四番目の質問です。 山口県ふるさと産業振興条例についてお尋ねします。 山口県では、地域の特性を生かした農林水産業や中小の事業者による多彩な商工業が営まれる一方、基礎素材型及び加工組立型の産業の集積が見られることを踏まえ、地産地消の推進による、ふるさと産業の育成や振興を目指して、山口県ふるさと産業振興条例が制定されています。 条例にある県の責務の一つは、行政の各分野において、地産地消に関する施策を講じることとあり、第七条の基本的施策の十号には、官公需における県内の事業者の受注機会の確保、県産品の活用を図ることとされています。 本年度予算での事業の執行についても、県内の事業者の受注機会の確保や県産品の活用といった視点が働いているのか重視していきたいと考えています。 今年度の予算では──一昨年度でしたか、予算では、コロナの感染拡大の中、子供たちへのタブレットの配付が急がれたため、大量にタブレットを購入することとなったにもかかわらず、他県の業者との契約となったという事例があり、残念な気がしたことを思い出しました。 そのときは、特定調達契約のため仕方なかったのでしょうが、もっと時間的余裕があれば、地元企業に少しずつ、学校ごとの発注など、例えば、配分できるような契約の仕方も可能だったのではないかと会派の仲間と話しました。 今回の予算案についても、山口県ふるさと産業振興条例の趣旨が生かされた執行がなされるか注目したいと考えています。予算全般にわたり、地産地消の推進の視点で取り組んでいただきたいと考えますが、御所見を伺います。 予算案の中の五番目、最後ですが、県有施設への再生可能エネルギー設備の設置についてお尋ねします。予算に関する質問では最後になりますが、県有施設への太陽光発電設備導入促進事業についてお尋ねしたいと思います。 私は平成二十三年四月に当選させていただいて、最初の定例会となる六月定例会で初めて一般質問に立たせていただき、この問題を質問に取り上げました。 そのときは、神奈川県が県有施設に設置する太陽光発電設備の事業費を五月補正予算に計上して推進されるというニュースがあったので、それを取り上げ、県有施設への太陽光パネル設置は、地球温暖化防止、再生可能エネルギーの普及啓発に加え、直接公共事業として地域経済への波及効果も望める。山口県においても、県有施設や市町の施設に対する太陽光発電設備の設置促進による再生可能エネルギーの導入を促進する事業の一層の充実について検討していただけないかと質問しました。 環境生活部長からの答弁では、県では、太陽光発電の導入促進を加速化プランの重点事業に掲げ、積極的に取り組んできたこと、また、設置に当たっては、県内で製造・加工された製品の使用や県内事業者による工事の実施など、地域経済の活性化にも配慮してきたとの説明がありました。 そして現在、そのときの答弁では、当時ですが、国において議論が進められているエネルギー政策の見直しや太陽光発電の全量固定価格買取制度などの動向を注視するとともに、今後、関係部局から成る庁内プロジェクト会議等において、公共施設等へのさらなる導入について検討も行いたいと考えているという御答弁を頂きました。 あれからもうじき十二年近くたつわけですが、この間に県有施設への再生可能エネルギー設備の設置はどのくらい増えたのか、また今後どのように増やしていかれるおつもりか、お尋ねしたいと思います。 三点目の質問、最後になりますが、上関原発建設計画についてお尋ねいたします。 昨年十一月定例会では、中国電力さんから十月二十五日に提出された公有水面埋立免許の期間伸長の申請が、十一月二十八日に許可されたことに対する質疑がたくさんありました。 私は、質問の機会がなく残念に思っていましたが、各会派からの御意見が多く聞けて参考になりました。 ただ、前回の定例会でのやり取りについて疑問に思うこともありましたので、お尋ねしたいと思います。 まず、自民党会派の代表質問に対する知事の答弁は、指定期間内に工事を竣功できなかったことについて合理的な理由があることと、今後埋立てを続行するのに十分な理由があること、すなわち、土地需要があることの二つの要件をいずれも満たしており、正当な事由があると認められるときは許可しなければならないものであることから許可いたしましたとの答弁でした。 その中で、竣功できなかった理由については、埋立工事に先立って実施する必要がある海上ボーリング調査について、調査地点付近で複数の船舶を停泊させるなどの行為が継続してあったことなどから調査を終了できず、工事を期間内に竣功できなかったこと、また、訴訟によりその解決を図ることが説明されており、合理的と認められますと説明されています。 しかし、竣功ができなかった理由についてはもう一つあると思います。公有水面埋立免許権者としてではなく、原発建設計画が存する県の知事の立場から発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事を施行しないことを知事が事業者に要請されていることが大きな阻害要因としてあります。 この阻害要因と、その解消に向けた取組は、合理的であったと期間伸長許可の審査の中で整理されたのでしょうか。もちろん要請であり、無視することもできると考えられますが、それらが審査表の中に記載されているのか、お尋ねしたいと思います。 審査の中で検討された上で合理的とされたのであれば、裁量権の逸脱だと言わざるを得ませんし、仮に審査をされていないのであれば、許可処分について瑕疵があると思います。御所見を伺いたいと思います。 前回の定例会での質疑に戻りますが、自民党会派の質問のほかに、公有水面埋立免許の期間伸長が許可されたことを評価される質問が公明党会派の議員からもあり、少し驚きました。 質問は、公明党会派としては、上関町のまちづくりは、まずは何より地元自治体の考え方を尊重することが重要と思いますと話され、昨年十月二十三日に行われた町長選挙で当選された上関町長の思いに、知事はどのように対処されるお考えかと質問されました。私は、公明党さんも原発の新増設を認める立場に変わられたのかと心配しておりました。 しかし、その後、十二月十六日のニュースで、公明党さんは新増設は認めない方針と報道されましたので、ひとまずほっとしたところです。 先日、二月二十二日のことですが、衆議院予算委員会の中継を、うちの党の泉代表の中継を見ようと思ってパソコンで見たんですが、そのときに立憲民主党の泉代表の質問の前に質問に立たれていた公明党の赤羽議員が、岸田総理に、第六次エネルギー基本計画にあるとおり、原発は可能な限り低減していくという認識で変わりないか、GX実行に向けた基本方針の下で、この方針は変わらないか、確認されていました。総理は、変わらないと答弁されており、少し不思議な感じもしましたが、私としては喜んでいるところです。 このたびの期間伸長の申請が許可された時点と、前回の期間伸長が許可された令和元年時点では、自民党会派の代表質問にも少し違いがありました。 前回は、代表質問に立たれた方が、我が会派としては、原発依存度を可能な限り低減させる方針の下と始まっており、今とは少し違うように思います。 このような動きから、上関原発建設計画のある山口県に暮らす県民の一人としては、現在の国の原発の新設についての考え方に大変関心を持ってしまいます。 この国の原発の新設についての考え方、この点についてどのように県としては認識されているのでしょうか、お尋ねいたします。 結局、平成二十年十月二十二日──二○○八年の十月二十二日に公有水面埋立免許がなされた後、三回の期間伸長がされたわけですが、その間に三・一一東日本大震災があり、埋立ての進捗状況はゼロのままです。 延長許可申請に記載する、指定期間内に工事を竣功できなかったことについて、合理的な理由が必要とされたためと私は思うんですが、合理的な理由が必要とされたために、海上ボーリング調査が持ち出されたり、そのボーリング調査を妨害しているとして、祝島島民の会の方々が訴えられたりしました。とっても残念に思います。 裁判の経過としては、令和四年七月二十二日に中国電力が民事調停の申立てをされ、十月五日が第一回目の調停だったのですが、調停は不成立となり、訴えられた方のほうは、さらに調停が続くと考えられていたわけですが、そういった動きは全くなく、十月二十五日に中国電力さんは山口地裁の岩国支部に提訴されました。 その日は、中国電力さんが公有水面埋立免許の期間伸長の申請を出された日でもあり、先ほどから私が申し上げているとおり、この裁判を、指定期間内に工事を竣功できなかったことについて合理的な理由の根拠としたいとの申請者の意図が透けて見えると思います。 訴えられた祝島島民の会の弁護士の方は、島民の会は中電の水面使用を妨害していないと主張されています。また、海上ボーリング調査は、公有水面埋立権に基づく水面使用ではないという主張もされると聞いています。 第一回口頭弁論は、被告は欠席で、代理人弁護士が答弁書を提出しただけで終わったということで聞いていますが、次回の期日は三月十日に予定されています。訴えられた、上関原発を建てさせない祝島島民の会の方々の裁判を応援しようと、裁判を支援する会が立ち上がりました。 県内外から支援の声が寄せられています。支援をする会の立ち上げの集会では、多くの方々がお集まりになり、いろんな御意見が出されましたが、光市にお住まいの方からの御報告で、以前、光市で行われた世論調査の結果についての御報告がありました。上関原発の建設には七二・六%の方が反対との結果だったそうです。 知事は、上関原発建設計画については、お示しの原子力発電をめぐる国の検討など、様々な環境変化を踏まえつつ、今後もこれまでと同様、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するとともに、県民の皆様の安心と安全を守るという観点から適切に対応してまいりますと答弁されていますが、万が一の事故の際には、影響を受ける地元は上関町だけで済まないことは、三・一一東日本大震災のケースからも明らかであり、御理解いただいていると思います。 今後も政策選択は、上関町だけでなく、周辺自治体の住民からも意見を聞いていただきたいと思いますし、裁判で訴えられた祝島の方々とも意見交換をしていただきたいと思いますが、知事のお考えをお聞きします。 以上で、一回目の質問とさせていただきます。再質問もしたいと思いますけれども、なかなか準備ができなかったので、ゆっくりと言えないかもしれませんので、御挨拶だけさせていただいておきますけれども、この今回の質問についても、大変皆さんに御心配をおかけして、早く原稿を出すことがちょっとできなくて、苦手で、いろいろ職員さんたちにも手伝っていただいたりして質問を作りました。 本当に今年度限りの任期でも、次、選挙がありますけれども、これで最後になるかもしれないので、私もしっかりと取り組みたいと頑張ったのですが、またぜひ次の議会でも、こういったおかしいことはおかしいとしっかりと主張できる、そのことのためにも頑張りたいと思いますので、引き続きの御支援をよろしくお願いいたします。 以上で、質問を終わります。再質問するかもしれません。どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 戸倉議員の御質問のうち、私からは、県民から信頼される県政の推進についてのお尋ねにお答えします。 一昨年に発生した公職選挙法違反事案においては、私は直ちに、今後、今回のような選挙をめぐる組織的な勧誘は一切なくす、仮に外部から求められたとしても全て断るという二つのことを県民の皆様にお約束しました。 そして、これを確実に履行するため、調査報告書の提言も踏まえ、昨年三月に、甘い認識を持たない、勧誘を受けても抱え込まない、今回の事案を忘れないという観点から、再発防止に向けた五つの取組を新たに定め、県庁を挙げて、その徹底を図っているところです。 具体的には、幹部職員をはじめとした全ての職員に対する研修等により、職員のコンプライアンス意識の徹底を図ったほか、働きかけ対応制度や公益通報制度の見直しによる組織的な対応力の強化等を実施しました。 また、事案発生から一年を経過した昨年末には、本庁・出先機関全ての所属において所属長による研修を実施し、事案の概要や再発防止策を改めて全職員に周知徹底しました。 こうした再発防止策や、それに当たっての県の考え方については、私自身、先頭に立って記者会見や議会等のあらゆる機会を通して御説明させていただき、県民の皆様に御理解を頂けるよう努めてきたところです。 本県の新たな未来を見据え、様々な課題に一丸となって県づくりの取組を力強く前に進めていくためには、県民の皆様との信頼関係が不可欠であり、このような考えの下、私は今後とも公正・中立を旨とし、不偏不党の立場で誠実な県政運営に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 令和五年度当初予算案についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、県税収入増に見合った分配についてです。 来年度当初予算の歳入については、お示しのとおり七十五億円の税収増を見込む一方で、それに伴い、地方交付税は十億円、その振替財源である臨時財政対策債は七十五億円の減少を見込んでいます。 また、地方消費税清算金については、お示しのとおり七十八億円の収入増を見込む一方で、清算金の支出として九十億円の増加を見込んでいます。 これらの結果、本県財政は引き続き、歳出が歳入水準を上回る、収支が均衡していない財政構造となっており、最終的な財源不足額八十八億円について、財源調整用基金の取崩しを余儀なくされました。 そうした中にあっても、新設する四つの基金等も活用し、コロナ前よりも経済や暮らしをより高いレベルに引き上げていく発展的再生を目指して、新たな県づくりに向けた取組をはじめ、新型コロナ対策や現下の物価高への対応に重点的な予算配分を行い、必要な予算規模を確保したところです。 次に、新たな基金の創設についてです。 本県財政は、来年度の財源不足額が八十八億円となるなど、依然として歳出が歳入水準を上回る、収支が均衡していない財政構造が続いており、今後五年間も来年度と同様、大幅な財源不足が生じる状況が続く見通しです。 こうした中において、新たな四つの基金については、県税収入の上振れ分等を活用し、やまぐち未来維新プランに掲げる重点施策の計画的かつ着実な推進に必要な財源を確保するとともに、新たな県づくりに向け、共に取り組んでいく市町や企業等に対し、県としての取組姿勢を示すことにより、施策の実効性を高めるために創設するものです。 今後も、これらの基金を有効に活用していくことで、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現に向けた確かな成果につなげてまいります。 ○副議長(二木健治君) 小関商工労働部長。    〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) 令和五年度当初予算案の御質問のうち、中小企業や小規模事業者支援についてのお尋ねにお答えします。 コロナの長期化に加え物価高騰等により、多くの中小企業や小規模事業者が売上げや利益減少等の影響を受けるなど、厳しい経営環境にあります。 こうした状況下においても、その事業の継続・発展を図ることが重要であり、県では関係機関との連携の下、事業者のニーズや経営状況等を適切に踏まえながら、生産性向上や経営安定等に資する的確な支援策を講じることとしています。 具体的には、まず、生産性の向上に向けては、経営革新計画の策定を通じて、新商品開発等の付加価値向上の取組を支援するとともに、専門家による経営課題診断等を通じて、デジタル技術を活用した業務改善の取組を支援してまいります。 また、今年度、事業者からのニーズの高かった省エネや業務効率化に資する設備導入補助を引き続き実施します。 次に、経営安定に向けては、今後、ゼロゼロ融資の返済が本格化することから、金融機関の伴走支援による経営行動計画の策定を通じた融資により、既往債務の返済負担の軽減や経営改善を図っていきます。 さらに、収益改善に向けて、クラウドファンディングを活用した頑張るお店応援プロジェクトや、商店街でのキャンペーン等により消費需要の喚起も行います。 また、十月から開始されるインボイス制度については、免税事業者に緩和措置が講じられることとされており、商工会議所等による相談やセミナー等を通じ、制度の周知を図りながら、その円滑な導入を支援していきます。 県としては、今後とも関係機関との連携を強化し、中小企業や小規模事業者支援に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 前田産業戦略部長。    〔産業戦略部長 前田安典君登壇〕 ◎産業戦略部長(前田安典君) 令和五年度当初予算案についてのお尋ねのうち、山口県ふるさと産業振興条例についてお答えします。 本県経済の持続的な発展に向けては、ふるさと産業の振興を図ることが重要であることから、県では、条例の基本理念を踏まえ、全庁組織である山口県ふるさと産業振興推進協議会の下、関係課から成る官公需部会など七つの部会を設け、各部局が連携した取組を進めてきたところです。 具体的には、条例の周知はもとより、政策入札制度の積極活用や、公共調達に向けた県産品リストの作成、会計検査における履行確認や指導、定期的なフォローアップ等を通じ、県内事業者の受注機会の確保や県産品の活用を促進してまいりました。 これらの取組により、物品購入や建設工事、業務委託など公共調達において、県内に本店を有する事業者の受注率は約九割と高い水準となっています。 こうした中、来年度予算においても、県産品の利用拡大の視点を生かした新たな取組を進めることとしています。 例えば、予算を重点配分した脱炭素関連では、中小企業が太陽光発電施設等を導入する際、県産の省・創・畜エネ関連設備に対して補助を上乗せする制度を創設するほか、県産農産物や木材の利用拡大の促進等にも取り組んでいくこととしています。 県としては、今後とも、行政の各分野において、地産地消の視点を持って取組を進め、県民、事業者、行政の協働の下、ふるさと産業の振興を図ってまいります。 ○副議長(二木健治君) 藤田環境生活部長。    〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 ◎環境生活部長(藤田昭弘君) 県有施設への再生可能エネルギー設備の設置についてのお尋ねにお答えします。 平成二十三年当時の国のエネルギー政策の見直し等を踏まえ、県では県内の再生可能エネルギーの導入を総合的かつ計画的に進めるため、庁内プロジェクトチームや外部有識者等で構成する検討委員会での議論を経て、平成二十五年三月に再生可能エネルギー推進指針を策定しました。 本指針では、重点プロジェクトの一つに、太陽光発電の普及拡大を位置づけ、それに基づき公共施設への率先導入に取り組んできたところであり、指針策定以降、県有施設では、総合庁舎や警察署をはじめとした二十三の施設に、計二百四十五キロワットの太陽光発電設備を設置しています。 今後は、三月改定予定の県地球温暖化対策実行計画に位置づけた県庁エコ・オフィス実践プランにおいて、二○三○年度までに設置可能な県有施設の五○%以上に太陽光発電設備を設置の目標を新たに掲げることとしています。 その実現のため、今年度実施した県有施設への太陽光発電等の導入ポテンシャル調査の結果も踏まえ、設置可能な百五十九施設のうち、設置済みの五十四施設を除く百五施設を対象とした導入計画を策定することとしており、来年度以降、この計画に基づき、順次設置を進めてまいります。 ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 上関原発建設計画に関するお尋ねのうち、工事を竣功できなかった理由の審査についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、知事の要請について、阻害要因とその解消に向けた取組は合理的であったと期間伸長許可の審査の中で整理されたのか、また、それらが審査表の中に記載されているのかについてです。 公有水面埋立法において、許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、埋立免許権者としては、申請内容の的確な把握に努め、法に基づき、適正に審査を行うこととなります。 このたびの期間伸長申請において、指定期間内に埋立工事を竣功できなかった理由については、知事の要請への対応が理由であるとの説明はなされていないことから、要請については審査しておらず、審査表には記載していません。 次に、仮に審査されていないのであれば、許可処分について瑕疵があるのではないかについてです。 竣功できなかった理由として、埋立工事に先立って実施する必要がある海上ボーリング調査を終了することができなかったことが事業者から説明されています。 埋立免許権者である県としては、提出された申請書の内容について審査した結果、正当な事由があると認められたことから、期間伸長を許可したものであり、許可処分について瑕疵があるとの御指摘は当たりません。 ○副議長(二木健治君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発建設計画に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、国の原発新設の考え方に対する県の認識についてです。 原発新設に関連する国の動きとしては、本年二月十日に閣議決定された、GX実現に向けた基本方針において、エネルギー基本計画を踏まえて原子力を活用していくため、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組むことが示されました。 具体的には、地域の理解確保を大前提に、廃炉を決定した原発の敷地内での次世代革新炉への建て替えを対象として具体化を進めていくとされています。 また、その他の開発・建設については、各地域における再稼働状況や理解確保等の進展等、今後の状況を踏まえて検討していくとされたところです。 県としましては、エネルギー政策は国家運営の基本であり、原発の新設を含め、原子力をどう利用するかは、安全性・信頼性の確保を大前提に、国の責任で判断すべきと考えています。 次に、周辺自治体や祝島住民の意見への対応についてです。 上関原発建設計画について、様々な意見があることは承知しておりますが、県としましては、国策である原発の立地については、県に何ら権限が与えられていない中で、地方自治の原則から見て、住民に最も身近な地元市町の政策選択や意向を尊重すべきであると考えておりまして、今後もこの姿勢で対応してまいります。 なお、県では、祝島の住民の方々を含め、様々な団体からの上関原発に関する申入れ等に対し、組織として真摯に対応しているところです。 ○副議長(二木健治君) 戸倉多香子さん。    〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) ◆(戸倉多香子さん) 再質問させていただきます。 県民から信頼される県政の推進についての知事からの御答弁、再発防止の五つの取組のことや職員の方々への研修等、改めて、そしてまた、研修も行ったという御答弁でしたが、もちろん私たちも知事が、先ほども高村弁護士さんが書かれていたように、知事がそういった公職選挙法違反に手を染めるということはないだろうということは信頼申し上げています。 それから、職員の皆様も、もうこれまでだって本当はやりたくない中で、まああったんだろうと思いますので、またそういったことが起こるということはないと信じています。 ただ、先ほども申し上げましたが、高村弁護士の整理された内容によりますと、七番に、議会との関係を見直さない限り、また同様のことが行われるのではないか、可能性が高いとも書かれている。このことについて御答弁の中では触れられておりませんでしたので、公職選挙法違反だけではなく、県民の皆さんから県政が信頼されていないということは、先ほどいろんな例を取り上げて、センチュリーの問題であったり、いろんな御意見がある中での県民葬のことを取り上げましたりしまして御説明したとおりですので、そういったことに対しての取組もしっかりやらなければ、県民の皆さんの信頼を取り戻すことはできないのではないかと思っています。 特に、この議会との関係を見直さない限り、また同様のことが行われる可能性が高いというふうに書かれている、この提言書、このことについて、どのように取り組んでこられたのか、もう一度知事にお尋ねしたいと思います。 それから、先ほど私が質問したときは、この提言をどのように生かされたのかということをお尋ねしましたが、知事の御答弁の中には、このように生かしたということはちょっとなかったように思いますので、このこともちょっと併せて質問させていただきたいと思います。 それから、原発問題です。国の新増設に対する認識についてお尋ねしたのは、質問の中で取り上げましたとおり、GXの活用をしていく、本年二月にあったということでしたが、そういった新増設も活用していくというような政府の考え方になっていっているのかという不安の中でお尋ねしたんですが、県はいつも国の責任において、そういうことって言われるんですけれども、今回の埋立免許もそうですけれども、今回延長許可を認めていいかどうかということは、やはり国のエネルギー政策がどうであるかということが一番考慮されることだと、たしか二井知事の頃から言われていたと思います。 だから、県としては、そのことをしっかり把握する必要があると思います、県の責任として。中国電力さんの申請書に書いてある主張ではなく、ちゃんと法に基づいて、その主張があるなしにかかわらず、ちゃんとこういったことがある、こういったことがあるということは、最初の埋立免許や二番目の長く、ずっと延長された延長許可申請のときは、徹底的にそういったことも調査されたと思うんです、審査されたと思うんですけれども、審査項目の中にあったと思うんですけれど、国のそのときのどういった考えなのかということについては、大変重要なことなので、県としては、それを確かめるためにもっと努力されるべきだと思いますが、このことについてはどのようにお考えでしょうか。 そして先ほど、公有水面埋立てについて、部長がいつもそうなんですけれども、申請者の説明において、申請者に説明させると言われるんですね。申請者の、それで、出てきた申請書を審査すると言われるんですけれども、例えば、全く知事の今回の要請についても審査されていない、審査書には入っていないということですが、そういったことで延長許可が、たった一つの合理的な理由があったら、それで全部通ってしまうのかということになりますので、これはおかしいと思うんですが、それが法に基づく審査と言えるのか、そのことを部長にお尋ねしてみたいと思います。 それから、三浦理事には、本当にいつも申し訳ない気持ちで質問するんですけれども、先ほどの話に戻るんですが、国の新増設に対する考え方ですけど、今、GXの分で本年二月ということを言われたんですが、これまで国の考え方が変わってきたと思うんですね。 もともとの三・一一の前、それから民主党政権時代、新増設はしないということの方針が決められたんですが、そして、その後、安倍政権になり、新増設は現時点では想定しないというふうになりました。 そして、今回、GXで活用するのは、活用するということで、新設も認めるのかというような形になってまいりました。この国の考え方の変化については、どのように整理されているか、もう一回お尋ねします。 私は、これまでも質問の中で取り上げてまいりましたが、過去のそのときの国のエネルギー政策を尊重すると言われてきた審査の内容について、先ほど申し上げたように、考え方が変わってきていると思うんですけれども、当初の三・一一直後は、エネルギー基本計画が変わらないから国の考え方は変わらないというような御答弁を頂いてきたと思います。それは私はちょっとおかしいんじゃないかと思いますし、今、新増設を認めるような方向性になったのであれば、それはいつからなのか。 そして、さらに、その前の安倍政権時代の現時点では新増設は想定していないとなったのはいつからなのか。そして、三・一一直後の新増設は認めないとしたのはいつからなのか。そしてその前のエネルギー基本計画で、原発をもっともっと増やそうとされていたのはいつからなのか。その整理をしていただきたいと思いますので、よかったらそのことも教えていただきたいと思います。 それから、先ほど部長は、延長許可の理由として合理的な理由があるから、ほかに一つあるから、それでいいんだというふうなことでしたが、先ほどもしつこいんですけれども、やはり知事が要請されていることは大きな阻害要因なんですね。最初のときに、最初に延長許可を認められたときに要請をされたときは、まだ要請されると分かっていなかったから、申請者の方はそれに対する対応は前もってはできなかったと思うんですね。ですけど、その次からは、もうその要請が続くだろうと予想されるようなことなので、その知事の要請は、知事が県民の皆さんの安心・安全をもって出されている要請なので、これは二井元知事が震災後直後に、あの工事を止めなさいと言われた要請と同じ考え方で続いているとは思いますが、要請としてはもう終わって、新しい今の知事の要請が今の県の考え方だと思いますが、このことについて、ちゃんと阻害要因として考えないことは本当に瑕疵があると思うんですね、この埋立免許の今回の伸長許可。そういったことが認識としてあられるか、ちょっとお尋ねしたいと思います。 以上で、再質問は終わりますが、再々質問に多分なると思いますので、よろしくお願いいたします。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 戸倉議員の再質問で、調査報告書の「おわりに」の七に書いてあることについての受け止めや、どう取り組んできたのかということ、そして、それを踏まえた県政運営の対応についての御質問でした。 調査報告書におきましては、事実関係や再発防止に向けた提言などが詳細に取りまとめられており、私としては、この提言も踏まえ、再発防止に向けて二つの宣言と五つの取組を全庁に徹底しているところです。 県政を進めていく上で、県民の皆様との信頼関係は重要な基盤であります。今後とも、公正・中立を旨とし、不偏不党の立場で県政運営にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(二木健治君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発に関する再質問にお答えいたします。 まず、国の認識についてでございますが、国の考え方をもっと把握するよう努力すべきだという質問であったかと思います。 これにつきましては、先ほども少し述べさせていただきましたけれども、原発に関することとしては、国のエネルギー政策に関することでございまして、これについて、県が何かを述べるということ、独自に見解を述べるということは考えておりません。 それから、国の考え方の変遷についてでございます。 第三次エネルギー基本計画の効力に関する政府答弁書がございますが、この中でエネルギー基本計画が見直しの途上にあること、この計画が見直しの対象となっていること、この計画は引き続き効力を有していることの三点が書かれております。 その後、平成二十六年四月に、次の第四次エネルギー基本計画が閣議決定されるまでの間、改定されておりませんので、その間は第三次エネルギー基本計画が有効であったと理解しております。 これまでに原発の新増設一般について国の考え方がなされたことはございますが、上関原発の重要電源開発地点指定という個別具体的な問題に関しては、国から、地点指定は引き続き有効であり事情の変化がない限り解除する考えはないとの見解が示されております。 したがいまして、県としましては、国のエネルギー政策上の上関原発の位置づけが引き続き存続し、今後も存続する見通しであると認識しております。 ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 上関原発に関する二点の再質問にまとめてお答えいたします。 県としましては、申請内容の的確な把握に努め、適正に審査を行わなければならないと考えていますが、申請内容に関する説明は申請者自らの責任で行うべきものと考えております。 繰り返しになりますが、公有水面埋立法において許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、埋立免許権者としては、申請内容の的確な把握に努め、法に基づき適正に審査を行うこととなります。 知事の要請は、公有水面埋立法の処分とは切り離し、原発建設計画が存する県の知事という埋立免許権者とは別の立場から行ったものでございます。 今回の期間伸長申請では、埋立工事に先立って実施する必要がある海上ボーリング調査を終了することができなかったことから、埋立工事を竣功できなかったとの理由が事業者から示されており、知事の要請の対応がその理由であるとの説明はなされておりません。 いずれにしましても、埋立権者である県としましては、提出された申請書の内容について審査した結果、正当な事由があると認められたことから、期間伸長を許可したものであり、許可処分について瑕疵があるとの御指摘は当たりません。 ○副議長(二木健治君) 戸倉多香子さん。    〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) ◆(戸倉多香子さん) 再々質問させていただきます。 知事から、再質問に答弁は頂いたんですけれども、県議会との関係については、どのように努力されてきたのかということについて、県議会との関係が一番問題じゃないかと。この公職選挙法の違反が起きたことの底辺にもあることは、調査報告書の中にもあったと思いますので、県議会とのうまくやっていくために、言うことを聞かなきゃいけないんだというようなことの、そういったことに対する対応というか、どのようにそれを克服していこうと、こようとされたのか、この一年間。 これすごく難しい問題だと思うんですね。県議会と執行部がうまく行政を動かしていく中での取組というのに対して、公正・中立で、ちゃんと不偏不党でやっていくというの、難しい問題だとは思いますけれども、そのことにどのように取り組まれたのかについては、ちょっと先ほど御返事がなかったので、それをお尋ねしたいと思います。 それから、提言については何か生かされてはいないのかなと思うんですよね。踏まえてというふうに御答弁がありました。知事は、提言を踏まえということを言われたんですけれども、この提言はすごく貴重な提言であったと私は思います。 山口県全体が県民から信頼されて一歩前に進んでいく、そして知事の言われているとおり、発展的再生をしていくためには、この提言は本当に貴重な提言であったと私は考えるわけですが、この提言は生かされていないのか、このことについても再度お尋ねしたいと思います。 それから、国の新増設に対する考え方について、三浦理事に御答弁いただきました。本当に、三浦理事はいつも御苦労されながら一生懸命答えていただいているので、申し訳ない気はするんですけれども、ちょっと久々に出てきた話がありました。 エネルギー基本計画の中で、うちの元民主党政権時代の、あれは何でしたっけ、ちょっと書類が思い出せないんですけれども、エネルギー基本計画はまだ見直される予定だけれども、まだ見直されていないので、それは生きているんだと。三・一一後も原発を大増設する、そのエネルギー基本計画は生きているんだという答弁だったと思います。それがちょっと私はずっと違うんじゃないかと言い続けてきました。エネルギー基本計画だけが国の方針ではないんじゃないかということを主張してまいりました。このことを、これは幾ら言ってもしようがないのかもしれませんけれども、県の一番最初の延長許可のときのその考え方、これは絶対におかしいと思いますので、今後も県としては見直していただきたいんですね。 その根拠としては、今回もGXが二月二十日に決まったんですか、二十二日だったか、二十日でしたか、決まった内容ということですが、エネルギー基本計画の変更ではないですよね、エネルギー基本計画の変更ではない。そして、公明党さんの岸田総理への質問についても、特に、エネルギー基本計画の考え方を変えているわけではないという答弁があったんですね。それにもかかわらず、今、国は新増設を、新型の分を進めることは活用していくという御意見だということも取り上げられたんですが、そういった考え方、都合よくこっちではそういうふうに取り、こっちではエネルギー基本計画は国の政策だというふうに、立場を変えられるのはおかしいと思いますので、このことについてのお考えをお聞きしたいと思います。 これは最後に質問ではありませんが、祝島の方々と意見交換していただきたいというのは、やはり公平・公正な立場で、両方側の意見を聞いてほしいんですね。それが知事の姿であってほしいと思っています。 いろんな申入れはさせていただいておりますけれども、延長許可の申請を出した側だけの意見を聞くんではなくて、裁判にまでされてしまったわけですけれども、反対していらっしゃる方々、自分たちは漁業をやっているだけなんだと、妨害をしているわけではないと言っていらっしゃる方々の意見をしっかりと聞いていただくのが、公正、信頼される県政づくりにつながることだと思っていますので、そのことは要望して終わりにしたいと思います。 以上で終わりにしますが、御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 戸倉議員からの再々質問で、議会との関係について見直したことはないのかということ、それから、提言を生かしていないのかという再々質問でございました。 この事案を受けまして、私のほうでは二つの宣言を行い、その中では、外部から求められたとしても全て断るということ、それから、五つの取組の中では、具体的に働きかける対応制度や公益通報制度の見直しによる組織への対応の強化を図ってまいりました。 これは、議会の中であろうと外であろうと、全ての対象を含めて見直しを行ったものでありますので、そうした形で対応を行っているということが一つであります。 それから、提言を生かしていないのかということですが、これ最初の答弁でも申し上げましたが、提言を踏まえて、それを受けて、五つの取組を新たに定めて、このことについて全庁を挙げて、その徹底を今図っているということであります。 ○副議長(二木健治君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発に関する再々質問にお答えいたします。 国の考え方についての御質問だったと思いますが、本年二月に閣議決定されましたGX実現に向けた基本方針でございますけれども、これはエネルギー基本計画を踏まえて取組を取りまとめたものとされております。 県としても、そのように理解しておりますが、いずれにしましても、エネルギー政策は国策でございまして、県として申し上げる立場にはないかと思っております。 以上でございます。 ○副議長(二木健治君) 宮本輝男彦君。    〔宮本輝男君登壇〕(拍手) ◆(宮本輝男君) 社民党・市民連合の宮本輝男でございます。 本日、最後になりましたが、最後までの御清聴、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。 それでは、誰もが安心して働き続け、暮らし続けられる山口県を目指す立場から、通告に従いまして、質問をいたします。 独り暮らしの高齢者対策についてです。 私の自治会は三十世帯ほどで、大きな自治会の一つの班程度しかありませんが、その中で六十五歳以上の前期高齢者を含めて独り暮らしの方は九世帯で、ほぼ三分の一です。私もその中の一人です。付け加えますと、敬老の日に配付するお祝いの品は世帯数と同数です。 ちなみに、十八歳未満の子供の数は片手でも足ります。 高齢化率は他の地域の倍の七〇%に達しているのではないかというふうに思います。自治会を一回りしても、十分もあれば済むような場所ですから、御近所同士で声をかけやすい場所ではありますが、それでも何か月と顔を合わせられない人もおられます。 私も自治会長として、台風の前後には、独り暮らしの世帯はもとより、高齢者宅には声をかけるようにはしていますが、福祉委員さんも常日頃はなかなか声をかけられないのが現状です。まさに、高齢者が高齢者を見守る状況です。 全国的にも、六十五歳以上の独り暮らしの高齢者は増加しており、内閣府の報告書でも、これは多少古いのですが、統計を取り始めた一九八〇年から年々増加しており、一九八〇年時点で独り暮らしをする高齢者は、男性約十九万人で、六十五歳以上人口に占める割合は四・三%、女性約六十九万人で、同じく一一・二%だったのが、二〇一五年になると、独り暮らしの高齢者は、男性約百九十二万人で一三・三%、女性四百万人で二一・一%に大幅に増加しました。 独り暮らしにならざるを得ない事情は、子供との同居はお互いにストレスになる、自由に暮らしたい、住み慣れた土地を離れたくない等、様々あると思います。しかし一方で、病気や健康面の中で、とりわけ体力低下などでのけがや病気で倒れることや、最悪の場合の孤独死、日常生活での買物や食事の低栄養化、さらにはうそ電話詐欺による被害、家族と同居であれば早急に対処できますが、独り暮らしの高齢者の徘徊の対応の遅れなど、多くの課題が考えられます。 市街地はもとより、中山間地域など、お隣同士が比較的遠い地域など、場所が違えど課題は多いものと思われます。その対策は、県内各自治体で行っています。 例えば、宇部市では、独り暮らしだけでなく、高齢者の見守り愛ネット事業が、宇部市、社会福祉協議会、地域・福祉保健支援チームなどの支援機関、家庭訪問が多いとされている協力事業者に加えて、民生児童委員や警察などの協力を得て実施されているものです。 確かに、高齢者の見守りは、基本的には、県内各自治体が主体となって行われるものとは承知しています。しかし、県民の安心・安全を守る県の立場として、県内の自治体への支援、援助が必要だと思いますが、県の見解と取組をお伺いをいたします。 次に、自殺対策です。 以前でしたら、季節の変わり目である三月から四月にかけて自殺者が多かったのですが、コロナ感染が拡大する中で、社会情勢の変化によって、年ごとの多い月が変わっています。自らの人生を自らが絶つという、本当につらい選択を強いられたことに心が痛みます。 私も年下の友人が自死したことに、今でも心が張り裂けそうで、なぜあのときに、よいアドバイスができなかったのか、話を聞いてあげればよかったと、今頃の季節になると自責の念に駆られます。 山口県自殺総合対策ページによると、我が国の自殺者数は、平成十年に三万人を超え、平成二十四年に、十五年ぶりに三万人を下回ったものの、大変憂慮する事態が続いています。 山口県でも、毎年二百人を超える方が自ら命を絶たれています。 多くの自殺は、自殺以外にこの苦しみを逃れる手段がないと追いつめられ、孤立した状態で起こっています。孤立を防ぎ、周りの人との絆が保たれることが大切です。私たち一人一人ができることを見つけていきませんか。 そして、「自殺において知っておいていただきたいこと」「ご存じですか?自殺の現状」「うつの症状出ていませんか?」「大変なときこそ体と心を大切に」「一人ひとりができること~気づきと絆~」と数項目書かれています。 山口県も自殺対策には真摯に取り組まれ、相談体制も充実されているものだとは思います。最近では、LINEの相談対応を始めましたとありましたが、山口県地域自殺対策推進センター、関係団体やNPO等への相談件数、相談内容、自死を思いとどまった事例があれば、お伺いをいたします。 私が現役のときは、会社でメンタルヘルスチェックを行っていました。 世代別では、バブル経済崩壊後には、五十歳から五十九歳までの男性が多いとされていますが、近年では、コロナ禍の状況でも減少していますが、企業が社員への体の健康だけでなく、心の健康にも配慮するようなことが必要だと思いますが、県としては、要請あるいは啓蒙啓発等を行っておられるのでしょうか、お伺いをいたします。 あわせて、県民のために働いておられる県の職員へのメンタルヘルスの取組をお伺いをいたします。 自殺の統計を見てみますと、この数十年の自殺者数は、女性は男性の約二分の一です。しかし、厚生労働省の令和四年版自殺対策白書での新型コロナウイルス感染症の感染拡大下の自殺の動向での分析の一つに、コロナ感染が拡大する中で、女性の自殺者が増加したことに関し、無職、離職をせざるを得なかったことだと私は思いますが、その女性の自殺死亡率と有効求人倍率の関係について、統計的に関係があることが分かったと記されています。 自殺者が減少傾向にあると言われながら、コロナ感染が流行する以前に比較して、まだまだ高止まりです。 そこで、女性の有効求人倍率の上昇が自殺対策の有効手段の一つだと思われますが、県の見解と取組について、お伺いをいたします。 と同時に、児童生徒の自殺が増えているのも気がかりな一つです。 先ほどの厚生労働省の令和四年版自殺対策白書では、十から十四歳の自殺について、全死亡の約二九%を占め、前年第一位であった悪性新生物に代わって第一位となりました。 また、十五から二十九歳では、自殺による死亡が全死亡の五〇%以上を占め、不慮の事故や悪性新生物による死亡を大きく上回ったと記しています。 心も体も成長期にある児童生徒にとって、原因別では、コロナ禍での学校への不安、いじめ等の交友関係での不安が入り混じっているものと思われます。また、中学生より高校生のほうが多いとされ、コロナ禍で増加傾向が続いています。 六年前の周南での生徒の自殺は、明るい将来が待ち受けていただろうと思うと心が痛みます。 そこで、将来のある児童生徒を学校と保護者が一体となって見守る必要があると思います。学校には、いろんな相談のチャンネルがありますが、改めて、その取組と保護者と連携する取組等について、お伺いいたします。 また、自殺を未然に防止する見守りとしてのゲートキーパー等の講習会や、山口県自殺対策フォーラム二〇二三、暮らしとこころの相談会を開催されますが、広く県民の皆様への啓蒙啓発について、お伺いをいたします。 上関原発についてです。 先日、上関町長は、経済産業大臣と面会し、改めて原発による地域活性化のために、上関原発建設促進を陳情されました。大臣は、重要電源開発地点であっても、原発新設には従来どおり触れていません。 上関町では、町役場をはじめ、各種団体やグループがまちおこしをされていることは承知しています。しかし、新設のめどが立っていない中、ゴールのないマラソンを走っているようなものです。 県は、上関町への具体的な支援をどのように考えておられるのか、お伺いします。 県は、公有水面埋立免許延長許可を出しながら、発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは埋立工事を施行しないでほしいという要請を出されていますが、国の原発の新設は想定していないということをどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 宇部市の私の近所からは、原発建設予定地の対岸の祝島が見えます。上関原発が建設されるということは、他人ごととは思えませんし、その先には伊方原発があります。福島第一原発事故の影響を鑑みれば、県内の自治体に安定ヨウ素剤の配備が必要だと思いますが、県の見解をお伺いします。 水産振興についてです。 以前にも申しましたが、私の近辺は漁業就業者の方が多くおられます。 漁業就業者は、漁を辞めるということを、おかに上がると言われていますが、最近お聞きするのが、おかに上がる方が近年特に多くなられたということです。近所の漁業就業者は高齢化により、沖合での漁業の重労働に耐えられず、病気がちなこともあり、昨年廃業をされました。 また、別の方は、廃業するからといって、私の家の前の軽量鉄骨の倉庫を高額の費用を払われ解体されました。中には、志半ばで現職死亡された方もありました。 年々高齢化が進み、平均年齢は七十歳代後半になるものと思われます。 地元の漁協の支店では、二十年頃前は、百を超えていた漁業経営体が、二〇〇八年では五十八経営体、二〇一八年度では三十四経営体にまで減っています。 ちなみに、五年ごとの国が行っている漁業センサス、漁業調査の意味ですが、それによると、山口県の漁業経営体数、過去一年間に利潤または生活の資を得るために、生産物を販売することを目的として、海面において水産動植物の採捕または養殖の事業を行った世帯または事業所は、二〇〇八年、四千五百五十三経営体、一三年は、三千六百十八経営体、二〇一八年は二千八百五十八経営体と明らかに減っています。 漁獲物・収穫物の販売金額の規模別の経営体数では、一三年では、百万円未満が千三百二十三、百から三百万円では千六十五、三百から五百万円が五百四と、五百万円以下の経営体が八〇%を占めており、二〇一八年では、それぞれ千十二、八百三十四、四百十五と約八割を占めており、年々減少しているのが分かります。 繰り返しになりますが、漁業者からは、最近は魚が捕れないということをよく聞きます。地球温暖化による魚の生息域の北上化で、南で捕れていた魚が北で捕れるようになっていると言われています。 例えば、カニで売り出していた函館では、近年ではブリが大量に水揚げされ、ブリでまちおこしをしようかとの話も聞かれます。 また、地元でも、以前捕れていた魚介類が捕れなくなっています。近所の魚市場では、焼くとうまみが出るシロミルガイは少なくなっていますし、貝柱がおいしいタイラギはほとんど見かけなくなってしまいました。 昭和四十年の漁業生産量が三十五・五万トン、平成元年には二十四・一万トン、平成三十年には二・七四万トンにまで激減しており、全国でも二十位半ばになっています。 宇部市近海でも、山口県の瀬戸内海側でも共通の問題だと思われますが、海がやせているのではないかと言われています。藻場を再生しようと植え付けを行っても、なかなか藻が育たないという状況があります。 山の栄養素が治水の事業等により海に流れてこなくなった、公共下水道の普及、埋立てによる潮の流れの変化や、航路のしゅんせつなどによる海底の砂の移動など、様々に海の栄養不足や漁場の環境の悪化の原因が言われています。 そこで、地球温暖化による影響は、現段階ではなかなか対応は難しいとは思いますが、魚が育ちやすい魚礁や、漁場環境をどのように考えておられ、改善されようとしているのか、お伺いをいたします。 山口県栽培漁業公社では、内海生産部、外海第一生産部、外海第二生産部で、高値で取引されているキジハタなど、十種類を超える魚介類を生産しておられます。 県内の市町では、稚魚稚貝を放流するのではなく、中間育成をされているところもあります。以前、漁業就業者に聞きますと、放流しても一割成長すればいいのではないかとの話も聞きました。漁獲高が減少する中で、稚魚稚貝の放流は重要なことだと思います。 そこで、稚魚稚貝の生残率について調査されていれば、その現状と課題や、今後の取組について、お伺いをいたします。 また、併せて、育成について研究されているという、キロ一から二万円で取引されているという貴重なシロアマダイの取組状況と、今後の課題について、お伺いをいたします。 山口県の漁業経営体数は、先ほども申しましたが、年々減少の一途をたどっています。県は、市町と漁協、山口県漁業就業者確保育成センターが連携し、漁業就業希望者の受入れから、研修、定着までの一貫した取組を支援する事業等を行っておられます。 新規漁業就業者の支援事業は、最長三年間の長期漁業研修を受講でき、研修生には指導者から賃金が支給されます。経営自立化支援事業は、就業後、最長三年間にわたって給付金を支給するというもので、かなり手厚い事業だと思います。 しかし、年配の漁業就業者は、長年の経験で良い漁場を知っているから、そこそこの漁はできるが、新規漁業就業者は、研修期間内では覚え切れず、辞めていく人が多いという話を聞きます。 そこで、県、市町、漁協、山口県漁業就業者確保育成センターで行われている新規漁業就業者対策における新規就業者の定着状況などの現状及び今後の課題、取組について、お伺いをいたします。 燃料代が高いから、漁に出ても油代が出んから辞めるという漁業就業者も少なからずおられます。ましてや、ウクライナ戦争に端を発したと言われる物価高騰の中で、出漁をためらう人もいます。漁に出られない漁業就業者が、他の人に魚を分けてもらおうとしたら、売りに出すからと分けてもらえず、最近、魚を食べてないという、本気とも冗談とも取れるようなことを聞きました。 そこで、県も物価高騰対策について、補正予算を組みながら、多くの事業者に支援されていますが、漁業関係者には、具体的にどのような支援策をされてこられたのか、お伺いをいたします。 最後になりますが、学校教育についてです。 先日、二三年度県公立高校の入学志願者数が発表されました。 募集停止の計画が決定した宇部西高校については、入学定員百五名、推薦入学合格内定者数八名で、第一次の募集の定員が九十七名に対し、志願者数は百十九名に達し、志願倍率は実に一・二倍となり、昨年の〇・七倍に比較して高くなっています。 いかに、宇部西高校の人気の底堅さがあるのかを、如実に表しているかを示していることだというふうに思います。 宇部西高校に入学して、将来を考えてみよう、また、総合学科に魅力を感じ、自分の将来を見つけてみたいという、受験、入学の動機は様々あるかとは思いますが、宇部西高校を希望する生徒が多かったということです。 このことについて、県教委の見解をお伺いいたします。 また併せて、このことにより、高校再編整備計画が修正されるというお考えはないのか、お伺いをいたします。 次に、不登校対策についてです。 十一月定例会でも申しましたが、二〇二一年度、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題の現状についての概要では、不登校児童生徒数は、小学校八百七人、前年度比百九十六人増、中学校千七百九十六人、同三百四十一人増、高校生三百四十八人、同八十一人増であり、コロナ禍という異常な状況の中で、全国的にも増加傾向にあります。出現率は、小学校、高校は全国以下なのに対し、中学校は全国を上回るとあります。 十一月定例会での、募集停止になる県立高校分校等への不登校特例校の設置についての質問に対し、県教委は、可能性に関しては、本県の不登校児童生徒の実情やニーズの把握に努めながら研究することとしていることから、現時点、考えておりませんとの答弁でありました。 夜間中学校については、調査をされ、前向きな方向性を感じていますが、では、不登校特例校設置についての不登校児童生徒の実情やニーズを、どう把握されようとしているのかを、お伺いをいたします。 高校の不登校及び中途退学者への対応についてです。 先ほど、令和三年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によると、不登校生徒数は高校及び中等教育学校後期課程の不登校生徒数は三百四十八人、前年度比八十一人増であり、千人当たりの出現率は十一・二人で二・九人増加、中途退学者は三百八十二人、同三十五人増であり、中途退学率は一・一%となっています。不登校の生徒を加えると、実に延べ七百三十人にも上ります。 県内の公立私立高等学校の全日制・定時制の三万九百八十三人、前年度より千六十八人減少していますが、それに比較して、単純にはいかないと思いますが、二・四%に上ります。 高校の場合、中学校とは違い、義務教育ではないので、様々な理由で中途退学をせざるを得ない生徒がいるのは残念なことです。 中途退学をせざるを得なかった生徒の現状と、その後の転編入学の状況についても、お伺いをいたします。 また、後先になりますが、そういった生徒への対応についても、お伺いをいたします。 改めて、不登校について、文部科学省は、不登校児童生徒とは、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあるために、年間三十日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由によるものを除いた者と定義していますから、遅刻、早退の多い生徒は対象にならないものと思います。 不登校対策は、教育界での大きな課題の一つだと認識しています。学校に行けない原因は様々にあり、一番悩んでいる本人を見守る保護者の心痛も多いことだというふうに思います。 私が不登校の児童生徒に心を寄せるのは、ごく親しい友人の子供さんが不登校気味で、欠席はさほど多くないものの遅刻、早退が多く、悩んでいることをお聞きしたからです。話をしようにも話してくれないし、何を話していいか分からなかったそうです。 今後とも、当該の児童生徒だけでなく、当然、保護者との連携を密にすることがより重要だというふうに思います。 新年度予算説明の中で、新規事業として、いじめ・不登校対策の充実として、中学校及び高校ゼロ年生からの教育相談事業が、二千六百十四万七千円が計上されています。 この事業を全否定はしませんが、スクールカウンセラーは、小中学校においては中学校区ごと、また、高校及び中等教育学校においては、各学校ごとの配置で十分な役割が果たせるのか、あるいは児童生徒を見守る教員が、県予算での加配の教員が増えない、定数が増えない中で、業務量が増えるのではないかという危惧を持ちます。 そこで、不登校対策では、児童生徒と学校の信頼関係が重要であり、タブレットもさることながら、不登校の児童生徒や保護者と学校関係者の個々の面談が重要だというふうに思います。 新規事業を円滑にされるに当たってのマンパワー、いわゆる人員の増大なのかどうなのか、お伺いをいたします。 また、入学前の心理教育テストとはどういう内容なのか、併せてお伺いをいたします。 また、地域教育力日本一の推進で、新規事業の地域連携教育再加速化事業のうち、やまぐち型社会連携教育推進事業があります。学校と地域、社会が連携を強化し、地域の歴史と風土から学び、日本や世界を見ることはいいことだと思います。 大規模校でも取り組まれているかとは思いますが、募集停止されている高校や分校等で既に行われてきています。 二月十七日に、岩国市の岩国高校坂上分校で分校サミットが開催されました。その中で、少人数だが地域密着で取り組んでいることが報告されたと新聞報道されていました。 校内の農場で、農作物の栽培を通して地域の方々と交流、地域の桜を守りたい、クラウドファンディングで農作物の栽培量を増やす等の取組が紹介されていました。 また、これとは別に、地域のお菓子屋さんとコラボでクッキーの製作、地域特産の和紙を通じての交流や地域の歴史を学ぶことによって、古代の外国との交流を知り、社会に目を向けるきっかけになった取組等も聞き及んでいます。 この新規事業の目標と取組について、お伺いをいたします。 また、紹介したように、分校の生徒たちと地域の交流の中で絆が深まっているものと思います。 大規模校には行けないけど、少人数であるからこそ地域の方との交流で自分に自信が持て、将来設計の一助になっていると思います。地域の方も我が子、我が孫のように接せられているとも聞いています。 私は、これまで生徒のためにも、地域の方のためにも、小規模校、分校の大切さを申し上げてきましたが、私の要望が聞き入れてもらえなかったことは、非常に残念なことであります。 やまぐち型社会連携教育推進を言われるのなら、今後、これ以上の小規模校、分校の募集停止は行っていただきたくない。大規模校で切磋琢磨することだけが高校教育ではないことを、この分校サミットが教示しているのではないかというふうに思います。 一方で、大規模校で不登校気味の生徒が増えているようだとの話も聞いています。 今回の分校サミットや、小規模校、分校の存在意義について、教育委員会の見解を改めて、お伺いをいたします。 難関大学を目指す生徒を育成することは、私は否定しません。しかし、生徒や地域の保護者のニーズがあるからと、難関大学進学に特化したような中高一貫校を設置されるのかは、今回の決定は私にはよく分かりません。県外に流出するのは、県外のほうがレベルが高いからという話も聞きます。 これまでの中高一貫校の課題と問題点をどうされてきたのか、お伺いをいたします。 また、難関大学に入学するのが目的だけではなく、自分の将来の進路に役立てたいものを学ぶことだというふうに思います。 難関大学に入学した生徒のフォロー、追跡調査をされているのか、お伺いをいたします。 国は、マスクの着用は個人の判断に委ねることを基本としていますが、当面、卒業式等、いろんな学校での生活とか、いろいろあると思いますが、今後、学校等でのマスク着用はどうされるのか、お伺いをいたします。 以上で、最初の質問を終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 宮本議員の御質問のうち、私からは、新規漁業就業者対策についてのお尋ねにお答えします。 本県では、全国を上回るペースで、漁業就業者の高齢化が進行していることから、全国に先駆けて、平成十年度から新規漁業就業者の確保・定着対策に取り組んできたところです。 この結果、これまで二百五十人以上の方々が新たに漁業に就業し、その後の定着率も全国平均の五〇%を上回る八〇%となるとともに、近年では、こうした新規就業者の方が、研修生の指導者となる好循環が生まれるなど、一定の成果が現れています。 この高い定着率を維持していくためには、指導技術力の向上と経営の安定を図るため、漁業技術の早期習得が課題と考えています。 このため、まず、指導技術力の向上については、研修の心得などをまとめた指導マニュアルを活用し、研修会の開催などを通じて、指導者のレベルアップを図ります。 また、操業方法や鮮度保持技術などのデジタルアーカイブ化により、研修生が繰り返し学べるようにするとともに、漁場や漁獲情報などを見える化した操業支援システムの活用を進めるなど、効果的な研修を行い、漁業技術の早期習得につなげてまいります。 私は、今後とも、市町や関係団体と緊密に連携しながら、新規漁業就業者対策に努めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 独り暮らしの高齢者対策についてのお尋ねにお答えします。 まず、高齢者の見守り活動に関する県の見解についてです。 独り暮らしの高齢者が住み慣れた地域で、安心して安全に暮らしていくためには、住民に身近な市町において、地域の実情に応じた見守り体制を整備し、適切な生活支援サービスにつなげていくことが重要であると考えており、県としては、広域的な観点から市町の取組を支援しているところです。 次に、県の取組についてですが、市町が行う取組を支援するために策定した地域福祉支援計画に、見守り・支え合い体制の充実・強化を掲げ、関係機関との連携や人材養成等の取組を実施しているところです。 具体的には、見守り活動の実施に当たっては、多様な主体による重層的な見守りが必要であることから、県域レベルで郵便や新聞など二十の生活関連事業者等と包括連携協定を締結しています。 この協定を基に、市町において、地域営業所等との個別協定が締結され、住民の異変等を早期に把握し、迅速に対応できるきめ細かな見守り活動が展開されているところです。 さらに、適切なサービスが提供できるよう、市町や社協の職員をはじめ、民生委員等に対して、課題解決の手法等に関する研修を行うなど、人材養成に努めています。 次に、自殺対策についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、県地域自殺対策推進センター等への相談件数、相談内容等についてです。 相談件数については、今年度は一月末現在で、LINEによるものが千六十四件、県地域自殺対策推進センターの専門ダイヤルが四千五百三十四件です。 また、NPO山口いのちの電話では、令和三年の実績は三千四百十九件となっています。 主な相談内容としては、心と体の健康に関するものや、職場、学校の人間関係などが多く、相談中に自死を思いとどまった例もあります。 次に、企業の心の健康対策についてですが、県では、これまで圏域ごとに設置している、地域・職域連携推進協議会において、毎年、メンタルヘルス研修会を開催するなど、企業における心の健康対策の促進に努めています。 また、国等と連携し、県民局に配置され、労働に関する相談対応や関連施策の普及啓発を行う相談員が事業所等を訪問して、メンタルヘルスケアの必要性等について周知を図っています。 次に、女性の自殺死亡率と有効求人倍率の関係についてです。 失業者に対する支援は、社会全体の自殺リスクを低下させる方法の一つと考えており、県では、国等と連携し、山口しごとセンターが中心となり、きめ細かな相談対応や職業紹介等を行うとともに、コロナによる離職者の早期再就職を促進するためのスキルアップ等も実施しています。 次に、県民への啓蒙啓発についてです。 県では、市町や関係団体等と連携し、身近な人の心と命を支えるゲートキーパーを養成するとともに、お示しのフォーラムや相談会の開催、街頭キャンペーンによるチラシの配布、啓発ポスターの掲示など、今後とも幅広い普及啓発に努めてまいります。 ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) まず、自殺対策に関する御質問のうち、県の職員へのメンタルヘルスへの取組についてのお尋ねにお答えします。 県では、職員の心の健康の保持・増進を図るため、予防対策、早期発見・早期対応及び職場復帰・再発防止といった各局面において、様々なメンタルヘルス対策に取り組んでいます。 具体的には、職員が気軽に相談ができる職員健康相談室や相談専用電話の設置をはじめ、毎年度、全職員を対象としたストレスチェックやメンタルヘルス講習会の実施、保健相談員によるメンタルヘルス巡回保健相談等に取り組んでいます。 また、ストレスチェックの結果、高いストレスが認められた職員に対しては、産業医による面接指導を行うほか、保健相談員や専門医等による個別の相談体制も整え、メンタルヘルス不調の早期発見・早期対応に努めているところです。 次に、上関原発に関する御質問のうち、安定ヨウ素剤の配備についてのお尋ねにお答えします。 甲状腺の内部被曝を予防または低減することが可能な安定ヨウ素剤については、国の原子力災害対策指針において、緊急防護措置を準備する区域、いわゆるUPZ内の住民等の緊急時の服用に備え、地方公共団体は適切な場所に備蓄することとされています。 県では、本指針に基づき、上関町八島診療所及び上関町を管轄する柳井健康福祉センターに必要量の安定ヨウ素剤を備蓄しており、UPZ外については、国から求められていないことから備蓄を行っておりません。 ○副議長(二木健治君) 松岡総合企画部長。    〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 ◎総合企画部長(松岡正憲君) 上関原発に関する御質問のうち、上関町への具体的支援についてのお尋ねにお答えします。 県では、市町が取り組むまちづくりについては、地域の実情やニーズ等を踏まえた市町の意向を尊重し、市町との適切な役割分担の下、支援を行っているところであり、上関町のまちづくりについても、この基本的な考え方に立って対応してまいりました。 具体的には、毎年、各市町から地域の実情や要望をお聴きする機会を設けるなど、市町との連携強化を図っており、これまでも上関町からの要望を踏まえて、県道の改良工事や離島航路に対する財政支援等を行ってきたところです。 県としては、今後とも、こうした機会等を通じ、まちづくりに関する上関町の意向をお聴きしながら、適切に対応してまいります。 ○副議長(二木健治君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発に関する御質問のうち、国の原発新設の考え方についてのお尋ねにお答えします。 国が、本年二月十日に閣議決定したGX実現に向けた基本方針では、地域の理解確保を大前提に、廃炉を決定した原発の敷地内での次世代革新炉への建て替えを具体化していくとされています。 また、その他の開発・建設については、各地域における再稼働状況や理解確保等の進展等、今後の状況を踏まえて検討していくとされたところです。 一方、上関原発の重要電源開発地点指定という個別具体的な問題に関しては、国から、地点指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り解除する考えはないとの見解が示されています。 このことから、県としては、国のエネルギー政策における上関原発の位置づけが引き続き存続し、今後も存続する見通しであると認識しています。 なお、お示しの県の要請は、上関原子力発電所本体の着工時期が見通せない状況の中で、当面、埋立工事を再開すべきではないと考え、行ったものであり、原発の新設に関する国の考え方を理由としたものではありません。 ○副議長(二木健治君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 水産振興についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、魚が育ちやすい魚礁や漁場環境についてです。 近年、地球温暖化などによる魚介類の生息環境の変化等により、漁獲量が減少する中、水産生物の良好な生息・生育環境を創出する取組が重要と考えています。 具体的には、漁業者の利用実態やニーズを把握し、増殖に効果的な魚礁の設置や、石材投入による藻場造成などを盛り込んだ、新たな漁場整備計画を策定することとしており、今後も計画的に整備を進め、安定した漁獲量の確保を図ってまいります。 次に、稚魚稚貝の放流後の生残率やシロアマダイの育成研究についてです。 長年放流を続けているトラフグについては、漁獲の三割が放流魚であることをはじめ、他の魚種についても一定の放流効果が確認されています。 このため、引き続き魚種ごとに放流効果が最大限に発揮されるよう、最適な放流サイズや時期などの研究を進めるとともに、研究成果を踏まえた効果的な放流を実施していきます。 また、シロアマダイの育成研究については、種苗の生産技術を確立したことから、次のステップとして、大量生産に向けた産卵親魚の安定確保が必要と考えています。 次に、物価高騰対策についてです。 令和四年六月補正予算において、生産資材や燃油価格高騰による漁業者負担を軽減するため、省エネ対策としての船底清掃やLED灯への交換、さらに漁具の購入などについて、延べ千七百六経営体の取組を支援しています。 加えて、経営安定対策として、漁業者が負担する漁業共済の掛金に対して、約六百件の助成を行うこととしています。 ○副議長(二木健治君) 木村副教育長。    〔副教育長 木村香織君登壇〕 ◎副教育長(木村香織君) 教育に関する数点のお尋ねのうち、まず、自殺対策に関する学校の取組についてお答えします。 各学校におきましては、定期的な生活アンケートの実施やSNS等を活用した相談体制の整備、二十四時間こどもSOSダイヤルなどの相談窓口の周知を行うとともに、スクールカウンセラーによるストレスの対処法やSOSの出し方等についての授業を実施しています。 また、保護者との連携等につきましては、平素から学校と家庭が情報の共有を図るとともに、児童生徒の自殺等の兆候をつかんだ場合の見守り等の協働体制や、医療、児童相談所、警察などの関係機関との支援体制を構築しているところです。 次に、学校教育についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、宇部西高校を希望する生徒が多かったことについての県教委の見解ですが、中学生が自分の興味・関心や将来の進路希望などに応じて主体的に学校を選択したものと認識しています。 なお、このたびの志願状況によって、県立高校再編整備計画を見直すことは考えておりません。 次に、不登校特例校設置についての不登校児童生徒の実情やニーズの把握についてです。 県教委では、市町教委と設置した不登校児童生徒支援協議会におきまして、不登校になった理由やその背景、必要としている支援内容等の実態の把握に努めているところです。 次に、高校の中途退学者のその後の状況についてですが、他校に転編入する生徒がいる一方で、就職等新たな進路を選択する生徒もいます。 また、中途退学前の生徒に対しましては、各学校において、保護者を交えて在籍校での学習の継続を説得するとともに、中途退学が決まった生徒に対しては、新しい進路に向けての支援に取り組んでおります。 次に、新規事業を円滑に実施するためのマンパワーについてですが、各中学校区及び各高校でスクールカウンセラーの配置時間数を増やすこととしています。 また、心理教育テストは、入学前の生徒を対象に学習活動や、人間関係などの学校生活等への不安や悩みの程度を測る内容となっています。 次に、やまぐち型社会連携教育推進事業の目標と取組についてです。 本事業は、大学や企業等、地域の枠を越えて広く社会と連携した教育活動を、全ての県立高校等で実施することを目標とし、総合的な探求の時間において、関係機関との共同研究や国際交流などに取り組むこととしています。 次に、分校サミットや分校の存在意義についてです。 分校サミットは、人間関係が固定化しやすくなる分校の生徒が、他校の生徒と交流したり、多様なものの考え方に触れたりすることができる機会であると捉えています。 また、分校に限らず、全ての高校には、これからの社会を担う人材を育成するという役割があると考えています。 次に、これまでの中高一貫校の課題と問題点をどうしてきたのかとのお尋ねです。 これまでも中高一貫教育校におきましては、生徒の個性や創造性を伸ばす教育を推進していますが、より高いレベルでの学力向上を目指す児童生徒や保護者のニーズに、これまで以上に対応する必要があると考えています。 また、お尋ねのありました難関大学に入学した生徒の追跡調査については行っておりません。 次に、学校でのマスクの着用についてです。 国においては、四月一日以降は着用を求めないことを基本とするとされていますが、その対応についての留意事項等は改めて通知するとされていることから、その内容を精査の上、適切に対応してまいります。 ○副議長(二木健治君) 宮本輝男君。    〔宮本輝男君登壇〕(拍手) ◆(宮本輝男君) それでは、再質問に入ります。 上関原発です。 地域おこしで地域を元気にすることは、少子高齢化の中で大変重要なことです。しかし、原発建設予定地の対岸が見えるところに住む私たちをはじめ、多くの方は、上関原発は他人ごとではありません。 福島第一原発の事故を目の当たりにした現在、山口県をはじめとした瀬戸内海や沿岸への事故が起きたときの甚大な被害は、想像を絶するものがあります。 経済産業省は、先ほども申しましたように、上関原発の新設は想定しておらず、県も発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事の施行をしないでほしいという旨の要請をされているのであれば、原発建設の中止の要請を知事の政治判断で行うべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。 水産振興についてです。 新規漁業就業者が、研修期間終了時には全員が独り立ちできるようになることが最終目標だと思います。新規漁業就業者が自信を持てるような教え方が行われることが重要だというふうに思います。 どういった指導要領に基づいているのか、県との連携についてお伺いをいたします。 学校教育についてです。 来年度から募集停止される三分校もそうなんですが、宇部西高校に入学希望者が昨年に比して、先ほども言いましたが、一・七倍にも増えているのに、また、募集停止によって入学できなかった生徒、入学したかったという生徒の受皿、もっと言えば、学ぶ権利をどのように保障するかということについて考えておられるのか、お伺いをいたします。 以上で、再質問を終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発に関する再質問にお答えいたします。 福島第一原発事故の反省と教訓を踏まえ、国においては、新たな規制基準が策定されるなど、原発の安全対策の強化がなされています。 また、安全性の向上に終わりはなく、今後とも、国及び事業者の責任において、原発の安全性を不断に追求していくことが重要と考えています。 上関原発建設計画については、県はこれまで一貫して、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという立場で対応してきているところです。 こうした中、国のエネルギー政策に関しては、国は、上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、解除する考えはないとの見解を示しています。 また、原発立地によるまちづくりを進めたいという、地元上関町の政策選択は現在も変わりありません。 県としては、このように事情の変化がない中で、上関原発計画の中止の要請をすることは考えていません。 ○副議長(二木健治君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 水産振興についてのうち、新規漁業就業者対策についての再質問にお答えいたします。 質問の内容は、どういった指導を行い、指導者と県との連携がどういうふうになっているのかということであったと思います。 県のほうでは、研修開始前、研修途中、それから研修終了前の節目ごとに、県が作成しました指導マニュアル等に基づきまして、研修生の健康管理や研修中の安全確保などについて、指導者と連携を図りながら、研修を円滑に実施されるよう取り組んでいるところでございます。 ○副議長(二木健治君) 木村副教育長。    〔副教育長 木村香織君登壇〕 ◎副教育長(木村香織君) 宇部西高校に関する再質問にお答えします。 県教委では、様々な特色を持った高校を全県的な視点に立って、バランスよく配置するよう努めておりますことから、中学生には進路希望等に応じて、主体的に学校を選択してもらえるものと考えています。 また、各学校では生徒一人一人の学習ニーズに応じた教育を行っておりまして、学ぶ権利はしっかり保障していると考えております。 ○副議長(二木健治君) 宮本輝男君。    〔宮本輝男君登壇〕(拍手) ◆(宮本輝男君) 再々質問です。 教育委員会の今年度の予算あるいは事業方針については、今後、委員会のほうで十分詰めさせていただきたいというふうに思います。 最後に、一点ほど、上関原発であります。 どうも、先ほどの戸倉議員の質問、今日の今の私の質問について、急遽でありますが、再々質問させていただきたいというふうに思います。 原発に関しては、このままでいけば、本当に、先ほど言いましたけど、ゴールの見えないマラソンになっている。建前とすれば、県が答弁されたように、重要電源開発は生きているし、かつ一方では、新設はしないという経済産業省の方針、相矛盾するわけですね。これ、いつ決着するとも本当に分からない。そういう面では、祝島の島民の漁業者としての立場、そして上関町の立場、中電としての事業者の立場、このままでは本当に祝島の島民と中電の対立の構図しか残らないんじゃないかというふうに思います。 その中で、県は傍観者の立場になっていると。全部、人ごとに任せる、事業者の責任、国の責任。そうじゃなしに、本当にここで、県が県民の安心・安全を守るというならば、知事の判断で、一旦ここで決着、中止という政治判断が必要ではないかというふうに思いますが、改めて、重ねてでありますが、お聞きをしたいと思います。 以上で、全ての質問を終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発に関する再々質問にお答えいたします。 上関原発につきましては、国のエネルギー政策上の位置づけが引き続き存続し、今後も存続する見通しであると認識しておりまして、事情の変化がない中で、上関原発計画の中止を要請することは考えておりません。 ○副議長(二木健治君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。   ─────────────    休会について ○副議長(二木健治君) 三月一日は、議事の都合により休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(二木健治君) 御異議なしと認めます。よって、三月一日は休会することに決定いたしました。   ───────────── ○副議長(二木健治君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。    午後三時九分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   二   木   健   治                   会議録署名議員   岡       生   子                   会議録署名議員   酒   本   哲   也...